ヒトゲノムにおけるMINK/CHRNEエクソンオーバーラッピングの進化的研究
Project/Area Number |
12202020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
楠見 明弘 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50169992)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | MINK / アセチルコリン受容体εサブユニット / エクソンオーバーラッピング / MAPキナーゼ経路 |
Research Abstract |
我々は、近年、MAPキナーゼ経路の上流で働く新規キナーゼ、MINKをクローン化した。これをヒトゲノム上でマッピングしたところ、第17染色体上でアセチルコリン受容体εサブユニット(AChRε)をコードするCHRNE遺伝子座と表裏でオーバーラップしていた。明確な機能を持つ蛋白質をコードする遺伝子が、エクソン同士でオーバーラップするという例は、哺乳類ゲノムでは極めて稀である。一方、様々な種のゲノムで調べた結果、MINK/CHRNE遺伝子座のオーバーラップは霊長類への進化以降に起こった出来事であることがわかった。 オーバーラップの形成過程を調べるために、我々は様々な哺乳類ゲノムにおけるMINK/CHRNE遺伝子座領域の構造を比較検討した。結果、ラビット、鯨、牛、羊、鹿、新世界ザル、ヒト上科ゲノムなど数多くの哺乳類においてエクソンオーバーラッピングが起こっていた。しかし、マウス、犬、馬、豚、原猿、旧世界ザルゲノムではオーバーラップしていなかった。この結果は、このオーバーラップの原因ははAChRε遺伝子のポリA付加シグナル崩壊による3'UTRの伸長であること、哺乳類進化の過程で少なくとも5系統(そのうち2系統が霊長類進化過程)で、独立にオーバーラップが起こっていることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)