Project/Area Number |
12202024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 雅敏 京都工芸繊維大学, ショウジョウバエ遺伝資源センター, 教授 (10142001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 京一 京都工芸繊維大学, ショウジョウバエ遺伝資源センター, 学振特別研究員
濱田 和成 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (50218533)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | キイロショウジョウバエ / オナジショウジョウバエ / 雑種不和合性 / 雑種致死 / 雑種致死救剤遺伝子 / イントログレッション |
Research Abstract |
キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster:以後キイロと略す)とオナジショウジョウバエ(Drosophila sumulans:以後オナジと略す)はキイロショウジョウバエ亜群中最も近縁で、実験室内で交配が可能であり、雑種を得ることができる。キイロは遺伝学的研究が最も詳細に行われている真核生物のひとつであり、ほぼ全てのゲノムDNA配列が決定された。一方、オナジのゲノムに関しては、遺伝子領域における塩基配列の類似性が96%程度であることが知られているにすぎない。これら2種の分化はゲノムの4%の差により確立したと言えることから、種分化の原因遺伝子の同定をつうじて、雑種ゲノムにおける遺伝子発現の機構を分析することで2種間のゲノム構築の比較研究を目的としている。 ○塩基配列決定によるゲノム54E-F領域の比較 ゲノムの比較対象部位としてオナジだけで発見されている雑種致死救済遺伝子Lhrの領域(第2染色体54E-F)の216kbのクローニングを試みた。これまでに157KbのDNA領域をクローニングした。それらの両端から塩基配列の決定を行い、キイロとの比較を行った。ファージだけでなくコスミドのライブラリーを作成することで、オナジのゲノム全体の解析準備を整えた。 ○イントログレッションを用いた30F-36A領域の遺伝学的解析 雑種ゲノムにおける遺伝子発現を調査する方法として、キイロの遺伝的背景にオナジの小さな染色体領域の一部(30F-36A 領域)を導入したイントログレッションを用いた。このイントログレション部分の大きさを組換えにより変化させることで、雄の妊性には複数の遺伝子が、雌不妊にはCG4705とcmetの間(約170kb)の単一遺伝子が関与することを明らかにした。少数の遺伝子が部分的雑種であることで不妊となる原因を解明することは、種特有のゲノム構造の解明に繋がると期待される。
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