Project/Area Number |
12202032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 菊也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイlマンス研究科, 教員 (60194809)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 小脳皮質 / 海馬歯状回 / アダプター付加競合PCR法 / laser capture microdissection |
Research Abstract |
海馬歯状回は、小脳皮質と共通した性質をもっている。たとえば、小脳皮質の顆粒細胞を歯状回に移植すると歯状回型の顆粒細胞に分化する。両者の形成過程の遺伝子発現の類似性を想定し、発現プロファイルを比較検討した(なお、マウス小脳皮質の詳細な発現プロファイルについては昨年報告している)。約2000個の遺伝子の発現量をアダプター付加競合PCR法で生後2日、4日、12日、3週、6週の6点で測定を行い、クラスター分析を行った。小脳皮質の場合と同様十数個の限られた発現パターンに収斂した。それぞれの遺伝子の機能とパターンとの関係を調べてみると、小脳皮質の場合は、発生の初期に細胞増殖関連の遺伝子の発現が強く、後期に神経細胞の機能に携わる遺伝子の発現が強いという、顕著な傾向が認められた。歯状回の場合は発生の初期にproteasomeとリボゾーム蛋白が高発現する傾向がみられたが、それ以外では小脳皮質のような顕著な機能と発現パターンの連関は認められなかった。従って、この二つの層構造の形成過程は遺伝子発現の上では大きく異なることがわかった。 また、上記の研究はすべて組織全体から精製したRNAを用いている。より詳細な発現プロフィール解析を行うため、まず層構造の明確な小脳皮質について、各層をLaser capture microdissectionで別々に採取して発現量を約500個の遺伝子についてアダプター付加競合PCR法で測定した。発生期の小脳は、外顆粒層、分子層、プルキンエ細胞層、内顆粒細胞層からなる。細胞分裂能がある顆粒細胞は外顆粒細胞層に、分化して分裂増殖能もたたないものは内顆粒細胞層に局在する。遺伝子の発現パターンは、だいたい解剖学的な所見と小脳全体の発現データからの推定と一致する。また、小脳全体の発現パターンは同じでも、LCMサンプルでは発現パターンのことなる遺伝子もかなり認められた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)