ゼブラフィッシュ胚発生過程に発現するRNA結合性蛋白質の網羅的同定
Project/Area Number |
12202034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
井上 邦夫 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (40252415)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / RNA結合性蛋白質 / 胚発生 / 選択的スプライシング / RNA情報発現 |
Research Abstract |
初期発生過程には、多くのRNA結合性蛋白質がさまざまな形で働くものと考えられる。遺伝学的解析の進んでいるショウジョウバエや線虫では、RNA結合性蛋白質が特定のRNAにおけるスプライシング(選択的スプライシング)、局在性、翻訳効率などの制御を介して、発生分化過程に重要な役割を果たしている事例が見つかっている。一方脊椎動物では、いくつかの組織特異的RNA結合性蛋白質が同定され、その役割が解析されているが、全体としてRNA結合性蛋白質群の時間的・空間的発現様式の情報は不十分であり、RNA情報発現制御システムが発生分化過程にどのような役割を担っているのか包括的理解を目指すにはほど遠い状況である。本研究では、ゼブラフィッシュを用い、RNA結合性蛋白質をコードする遺伝子群を効率的・網羅的に同定し、脊椎動物の胚発生過程における発現様式の情報を集積していくことを主な目的とした。 ESTデータベース情報をもとにRNA認識モチーフ(RRM)型のRNA結合性蛋白質をコードする遺伝子をいくつか同定し、in situハイブリダイゼーションによって発現様式を検討した。その結果、fox-1は胚発生過程において心臓原基や体節などに発現することがわかった。また、hermes-1は心臓原基や網膜、sebは筋肉系、水晶体、耳胞等、etr-3は主に神経系でそれぞれ発現することを見い出した。さらに、Fox-1について機能解析を進めたところ、筋肉系列特異的な選択的スプライシング制御因子であることが強く示唆され、本研究で得られた成果がRNA情報発現制御システムの理解に有効なことが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)