アレルギー免疫疾患モデルマウスを用いた発症要因に関わる遺伝背景の解析
Project/Area Number |
12204020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 直人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60291267)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | OX40リガンド / OX40L欠損マウス / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 |
Research Abstract |
<背景と目的> OX40リガンド(OX40L)は我々が遺伝子単離した免疫分子で、TNFファミリーに属する。最近、抗原提示細胞上のOX40Lなどの機能分子の発現がアレルギーや自己免疫などの発症に関与していることが示唆され、その発症要因としてMHC以外の遺伝素因が注目されている。そこで我々はOX40L遺伝子欠損(KO)マウスおよびOX40Lトランスジェニンク(Tg)マウスを作製し、自己免疫病モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に適用し、OX40Lの自己免疫発症への関与を検討した。従来、アレルギー・自己免疫発症の遺伝的背景としてリンパ球機能分子が想定されていたが、本研究では、OX40Lを含む抗原提示細胞機能分子に着目し、自己免疫発症遺伝素因を解明する。 <結果・考察> 1.抗原提示細胞にOX40Lを過剰に発現したTgマウスでは、EAEが野生型に比し重症化し、一方OX40L欠損マウスではEAEの発症が強く抑えられた。OX40Lが自己免疫発症に直接的に関与することが明らかになった。 2.Leishmania Major(LM)はマウスの免疫反応解析に用いられる代表的な寄生虫である。LMは、感染させるマウスの遺伝背景の違い(C57BL/6とBalb/c)により、免疫反応が大きく異なることが知られている。LM耐性マウスであるC57BL/6にOX40Lを過剰発現するとLMに感受性となり、一方LM感受性マウスであるBALB/cでOX40を欠損させるとLM感染に耐性となった。これらの事実は、寄生虫感染アレルギー反応において、OX40Lが特定の遺伝的素因と機能的に関連しつつ疾患発症に重要な機能を有している可能性が示唆された。BALB/cマウスのLM感受性遺伝子は12番染色体上に想定されており、OX40Lのそれ(1番)とは異なる。さらに詳細な解析が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)