自己免疫病誘導モデルを用いた、病態形成に関与する遺伝子の疾患誘導能の解析
Project/Area Number |
12204037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三崎 義堅 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (60219615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 客員教授 (20282527)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 自己免疫疾患 / トランスクリプトーム / 自己抗体 / 螢光Differential Display / レトロウィルス / リンパ球 / プリスタン誘導自己免疫病 / B細胞 |
Research Abstract |
ヒトの実際の病変では病期の進行度、浸潤している細胞の種類、量、活性化状態などの要素が、患者間で極めて多様でかつ、健常人とは非常に異なり、発現遺伝子解析の正確な対照を得ることはほぼ不可能である。また同一の遺伝子異常でも遺伝的背景により表現系が全く異なることもマウスで示されている。従ってそれらの情報まで把握できなければ、多因子病で病態との関連の追及は困難だと考えられる。 プリスタンを各種マウス系統に腹腔投与後16週以降に、抗DNA抗体などの自己免疫病標識抗体、関節炎、糸球体腎炎が出現し、この自己免疫病態は系統によって異なる。この系では健常対照と遺伝的背景が明瞭である。そこで自己免疫病態に関与する遺伝子の探索を目的として、この系でのB細胞におけるトランスクリプトームを検討した。 プリスタン投与C57BL/6マウスは、20週後血清でほぼ100%と高率に抗U1-A自己抗体を産生していた。投与20-24週後マウスの中でも高力価に自己抗体を産生している3個体から脾臓B細胞を精製分離し、PBS投与マウス由来脾臓B細胞を対照として、蛍光Differential Display法にて解析した。これまで9936バンドを解析し、すべてのプリスタン投与個体由来B細胞にて発現が上昇したもの65、発現が低下したもの54であった。 塩基配列を決定した発現上昇クローン20個中、8個が既知、4個がdbESTと一致、未知のものが8個であった。 我々は、これまで遺伝子導入が比較的困難とされていたマウス成熟リンパ球にも、レトロウィルスベクターを用いて高効率に遺伝子導入する系を確立した。従って、この手法を用いて候補遺伝子の病態との関連効果をin vitroだけでなくin vivoで観察することが可能である。今後細胞集団の種類も拡大して解析していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)