マウス系統間における皮膚炎症応答の違いとアレルギー獲得性の相関
Project/Area Number |
12204062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高原 和彦 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (90301233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 カヨ 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00115792)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | ランゲルハンス細胞 / アレルギー発症 / マトリックス / TGF-β / ランゲリン / 樹状細胞 / NC / Ngaマウス |
Research Abstract |
(背景と目的)樹状細胞(DC)の一種であるランゲルハンス細胞(LC)は、皮膚・粘膜等に存在し常に外来抗原刺激を所属リンパ器官に伝えており、この挙動・性質がアレルギー発症に長期的な影響を与えるものと予想される。そこで本研究では、LC/DCの生体内の挙動を正確に把握すること、及びそのための新規マーカー分子の同定を進めた。これらを基に、アトピー傾向マウスを含む異なる系統間におけるLC/DCの性状を検討し、アレルギー獲得性との相関を探る。 (検討結果)1)正常マウス皮膚を用いて、炎症初期のLC数減少、及び炎症後期のマトリックス再生と同時期(約5日後)の新規LCの供給を確認した。また、LCの分化に必須であるTGF-βの活性化と、基底膜ラミニン5の成熟を担うと考えられるBMP-1の発現も同時期に確認された。2)ヒトLCマーカーであるランゲリンのマウスホモログを同定し、マウスとラットにおける遺伝子座を決定した。ランゲリンmRNAは皮膚以外に、体表リンパ節、脾臓等でも検出され、抗体染色ではCD8陽性(intermediate及びhigh)LC/DCに確認された。また、骨髄由来DCでは、ランゲリンmRNAは未熟期のみ発現され、成熟活性化に伴い減少した。3)アトピー傾向を示すNC/Ngaマウスにおける感作原塗布前後のLCの分布・移動と性状から、表皮LC数が減少しており、正常マウスに比べて成熟度が高いことが示唆された。 (考察)外的刺激によるLCの活性化並びに所属リンパ器官への移動と前駆細胞からの新たな供給に関する時間的経過が明らかになった。またNC/Ngaマウスにおける検討結果は、アトピー傾向におけるLCの何らかの関与を示唆するものと考えられる。一方、ランゲリンの発現がLCを含めDCサブセットに特異的であることを考慮し、今後NC/NgaマウスLCの機能並びに性状との関連を明らかにする予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)