CYP2C9の遺伝子診断に基づく抗凝固薬物療法の個別化
Project/Area Number |
12204096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 邦彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80327717)
村田 満 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50174305)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | ワルファリン / CYP2C9 / 薬物代謝酵素 / 遺伝子変異多型 / 血液凝固 / TaqManPCR法 / 薬物血中濃度 / 凝固系第VII因子 |
Research Abstract |
ワルファリンによる抗凝固作用の反応性と遺伝子変異との関係を解明し、抗凝固薬物療法に「個人の遺伝情報に基づく投薬の最適化」という新しい治療概念を確立することを目的として以下の検討を行った。 ワルファリン代謝を担う薬物代謝酵素チトクロムP450 2C9(CYP2C9)の遺伝多型の診断に、対立遺伝子特異的増幅法と蛍光プローブ法を組み合わせたTaqMan PCR法を活用し、迅速且つ低コストの検査法を確立した。TaqMan PCR法は、PCR反応のみでタイピングするため、従来のPCR-RFLP法よりはるかに効率的であり、採血後わずか4時間で数百検体の判定が可能である。併せて検査コストを抑えることができた。 ワルファリンはラセミ体として投与されるが、抗凝固作用を発揮する活性体(S)-ワルファリンであるため、血漿中の(S)-ワルファリン濃度を分離分析するキラル分析法をHPLCにより確立した。 一方、凝固活性低下を伴う凝固系第VII因子の一塩基変異多型(R353Q)についてもTaqMan PCR法による迅速且つ簡便な診断法の開発に成功した。 以上、(S)-ワルファリンの血漿中濃度測定法ならびにCYP2C9の遺伝子診断法を確立するとともに、凝固系第VII因子の新たな遺伝子診断法をTaqMan PCR法により開発できたことにより、多数の患者を対象として各個人の薬剤反応性とこれら遺伝多型の関係について研究を遂行する基盤が整った。今後はワルファリン投与患者を対象に薬剤反応性とSNPsとの関連解析を実施する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)