枯草菌と大腸菌におけるトランス・トランスレーションの標的タンパク質の網羅的解析
Project/Area Number |
12206011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
武藤 あきら 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80034635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姫野 俵太 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (80208785)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | トランス・トランスレーション / 大腸菌 / 枯草菌 / tmRNA / 翻訳 / アミノ酸配列 / タグ・ペプチド / ウェスタン・ブロッティング |
Research Abstract |
tmRNA(10Sa RNA)は真正細菌に存在する安定なRNAで、tRNAとmRNAの両機能を合わせ持ち、trans-translationという特殊な翻訳機構を通して翻訳が中断したペプチドにタグを付加して特殊なタンパク質分解酵素(Fts,Clpなど)で分解する。最近我々はtrans-translation機構は一般的な不完全ペプチドの分解だけではなく、特定の標的タンパク質を標的として分解するというデータを得ている。本研究ではtmRNA変異株を用いて各種生理的条件下でのこの分解系の標的タンパク質を網羅的に解析することにより、その生理的意義ならびに分子機構を解明し、さらにtrans-translationの新しい遺伝子発現制御機構としての位置を確立すること目的とする。 今回我々は、大腸菌と枯草菌でin vivoにおけるトランス翻訳反応産物を検出する系を確立した。タグペプチド(大腸菌で11アミノ酸、枯草菌で15アミノ酸)のC-端の疎水性アミノ酸が特異的proteaseに認識されペプチドは分解されるので、その配列を親水性のアミノ酸に変えることによりタグが付加したペプチドは分解から免れる。さらにタグの内部配列をヒスチジン6個を並べた配列にすることによりHis-tagを持たせる。そのように配列を変えた変異体tmRNA遺伝子を導入した菌ではHis-tagをもつトランス翻訳産物が分解されず細胞内に蓄積される。その全タンパク質からニッケルカラムを用いてHis-tagをもつペプチドを分画し、それを1次元または2次元ゲル電気泳動で分画後、His-tag抗体を用いたWestern-blottingによりHis-tagラベルされたタンパク質を検出・単離する。そのN-端のアミノ酸配列を決定しデータベースで検索することにより同定する。我々はすでにこの方法で大腸菌のいくつかの標的タンパク質を検出することに成功した。また枯草菌の検出系も確立し、種々の生理的条件下での標的タンパク質の単離を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)