プロモータートラップを用いたT細胞活性化に伴って誘導される遺伝子の検索
Project/Area Number |
12206021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 晶 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40312946)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | プロモータートラップ / T細胞 / GFP / スプライシングアクセプター / レロトウイルス |
Research Abstract |
<背景と目的> T細胞抗原受容体(TCR)は抗原の微妙な差異を認識して多様なT細胞応答を惹起するが、その分子機構、特に核内におけるイベントは明らかでない。本研究は、レトロウイルスを用いて、GFPをマーカーとしたプロモータートラップT細胞ライブラリーを樹立し、T細胞刺激によって誘導される遺伝子群を網羅的に探索することを目的としたものである。 <検討結果> ハトチトクロームC(PCC)抗原特異的T細胞ハイブリドーマ(2B4.PT)にプロモーター活性を欠損したレトロウイルスを利用したトラップベクターを感染させ、プロモータートラップ細胞ライブラリーを構築した。恒常的にGFPを発現する細胞をソーティングで除去後、固相化抗TCR抗体でトラップ細胞ライブラリーを刺激し、GFPが誘導される細胞集団を精製した(図2)。この集団より、実際に刺激に伴ってGFPの発現が誘導される複数のクローンを得た。同様に、β-GAL-blasticidin-S耐性遺伝子融合タンパク質をレポーターとしたベクターを用い、TCR刺激後薬剤選択によって目的細胞を選択した。この場合も刺激に応答してβ-GAL活性が増強するクローンが得られた(図4)。回収した細胞クローンのトラップ遺伝子の塩基配列は5'RACE法によって同定した。その結果、これまでTCRによって誘導されることが知られていなかった遺伝子が6種類単離され、そのうち2つは新規遺伝子であった。 <考察> 本法で用いたトラップベクターを用いることで、これまでTCR刺激による誘導が報告されていな遺伝子、特に転写、翻訳に関わる因子を効率よく同定できることが判明した。今後このトラップ細胞ライブラリーのサイズを拡大し、刺激の差異によって発現が変化する遺伝子を網羅的に探索していく予定である。
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Report
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Research Products
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