全ゲノム情報に基づいた肺炎クラミジアの病原性遺伝子転写調節の統合的解明
Project/Area Number |
12206067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
白井 睦訓 山口大学, 医学部, 教授 (20196596)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 肺炎クラミジア / Chlamydia pneumoniae / マイクロアレー / RT-PCR / 転写 / ゲノム / mRNA / DNAチップ |
Research Abstract |
肺炎クラミジア日本株J138の全ゲノム塩基配列決定後の作業として、各ORFの抽出とアノテーション、機能予測を行い、そのホームページの作製を完了した(http://w3.grt.kyushu-u.ac.jp/J138/)。各ORFのうち接着・感染に重要な外膜タンパクをコードするomp、pmp遺伝子を含む47の肺炎クラミジア遺伝子と2つの宿主細胞遺伝子を含むDNAマイクロアレイを作製し、肺炎クラミジア感染後6時間ごとに増殖が終息する72時間までHEp-2細胞と非感染の同細胞からから調製した全RNA40ugを鋳型としてアレイした遺伝子に特異的なプライマーを用いて逆転写反応を行い、それぞれCy-3、Cy-5でラベルしたcDNAを調製した。得られたcDNAをDNAマイクロアレイにハイブリさせ、各スポットの蛍光をスキャナーで読み込んだ。取り込んだ画像は宿主遺伝子のGAPDHとβアクチンを用いて感染(緑色)または非感染(赤色)細胞のサンプルを標準化した(黄)。その結果、宿主細胞であるヒト細胞に感染した肺炎クラミジアの遺伝子発現を検出することに成功した。非感染細胞ではGAPDHとβアクチン以外は検出しなかったのに対し、感染細胞において特異的に10個のクラミジア遺伝子の発現を認めた。 この結果は、作製したクラミジアDNAマイクロアレイの検出特異性が十分高いことを示すものであるが、一方でRT-PCRで検出できたものすべてが検出できたわけではなかったことからRT-PCRより感度が低いことがわかった。今後、肺炎クラミジアの全orfをスポットしたDNAマイクロアレイを作製し、全遺伝子の発現を網羅的に解析する予定であるが、すでに全遺伝子1070個のうち約500遺伝子についてクローン化が完了した。肺炎クラミジアPathogenecity Islandなど多くのユニークな病原遺伝子があることが分かっており、動脈硬化の進展に関与する遺伝子を発見したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)