細胞機能を司るゲノムDNAメチル化の生理的動態ならびに病態解析
Project/Area Number |
12206070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
向井 常博 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40108741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副島 英伸 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30304885)
城 圭一郎 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (90124809)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | インプリンティング / DNAのメチル化 / p57kip2 / Lit1 |
Research Abstract |
<目的>ヒト11p15.5はインプリンティング領域といわれ、遺伝病(Beckwith-Wiedemann症候群)や小児腫瘍を発症する座位として知られている。しかし、その発症機序は解明されていない。我々は現在までにヒトゲノムの当該領域に対応するマウスゲノム領域(7F4/F5)1Mbの中で、500kbに及ぶサブドメインのシークエンスを完了した。ここでは、インプリンティングの生成機構にかかわるDNAメチル化のこのドメインにおける生理的動態の検討と、ヒトにおける病態解析のための基盤情報作りを行った。<結果>マウスNap1l4-Tapa1間のシークエンス結果に伴い、既知遺伝子やCpGislandのマッピングを行った。すでに報告されているヒト配列と比較した結果、p57kip2を含む周辺のゲノム構成に両者間で違いが観察された。ついで、マウスCpG islandのDNAメチル化を解析した。先ずメチル化感受性制限酵素HpaIIを用い、ついでbisulfite法により詳細に解析した。その結果、p57kip2およびその上流は父由来アリル特異的メチル化、Lit1は母由来アリル特異的メチル化が観察された。生殖細胞の観察では、p57kip2の上流(CpG4)では精子にメチル化は観察されなかった。一方、ヒトの解析も行い新しい遺伝子としてKCNQ1DNやC11orf21を同定した。<考察>解析をしたサブドメイン全体の中で組織、時期を問わずアリル特異的メチル化と発現が常に一定なのはp57kip2とLit1である。この中でH19上流のDMRと同じような配偶子インプリントの役割を担うものがあるとすれば候補は絞られるわけで、おそらくLit1のみと考えられ、サブドメインのインプリンティング制御中枢として働いている可能性は高い。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)