Rasファミリー活性化因子の多様性からのゲノム進化の検討
Project/Area Number |
12206085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
望月 直樹 国立国際医療センター, 研究所, 室長 (30311426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 道行 国立国際医療センター, 研究所, 部長 (10199812)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | ゲノム / Ras / GDP / GTP交換因子 |
Research Abstract |
本研究では(1)ヒト低分子量GTP結合蛋白質特にRasファミリーに属するRapのGDP/GTP交換因子(Rap-GEF)を明らかにし、細胞内情報伝達系における機能をまとめ(2)特に線虫ゲノムの同遺伝子群との比較により高次機能の獲得とゲノム進化とを系統的に解析することを目的に研究を進めた。 【結果】 (1)新規Rap-GEFとしてGEFドメインのホモロジーサーチでCal-DAG-GEF-IIIを同定して低分子量GTP結合蛋白質Rasファミリー分子に対する基質特異性を決定した。 (2)CalDAG-GEFはその名前の由来のようにCa2+とDAG(ジアシルグリセロール)による制御を受ける部位を有しておりCalDAG-GEF-IIIもこれまでのI,IIと同様にCa2+/DAGの制御をうけることが判った。 (3)CalDAG-GEF-IはRap1,R-Ras群のGEFであり、CalDAG-GEF-IIはH-Ras,R-Ras群のGEFであるが今回新たにCalDAG-GEF-IIIが全てRasファミリーのH-Ras,Rap1,R-Rasに対してGEFとして働くことが判明した。 (4)CalDAG-GEFの局在を調べるためにin situ hybridizationを行ったところ脳ではCalDAG-GEF-Iは基底核、CalDAG-GEF-IIは小脳、CalDAG-GEF-IIIはoligodendrogliaに存在した。また腎臓ではIは間質、IIは集合管、IIIは糸球体mesenchymal細胞に発現を認めた。 【考察】CalDAGはヒトではCalDAG-GEF-I,II,とIIIの3つが同定された。全塩基配列が明らかとなった線虫ではCalDAG-GEFは1種類しかなく、高等動物への進化のために多様化し複数のCalDAGが必要になったと考えられる。その発現部位もそれぞれ異なり多様な低分子量GTP結合蛋白質の活性化に必要なGEFが分化し高次機能獲得のために基質特異性を獲得したものと考えた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)