Project/Area Number |
12210031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤野 貴広 東北大学, 遺伝子実験施設, 助手 (40292312)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | アルツハイマー / アポE / アポEレセプター |
Research Abstract |
神経細胞の増殖、神経突起の進展、神経細胞膜の機能維持のためには細胞膜の主要構成成分コレステロールは不可欠であるが、脳内でのコレステロール輸送と代謝に関する情報はほとんどない。脳内でコレステロールはアストロサイトからアポE・コレステロールとして分泌・輸送され、特異的レセプターを介して取り込まれる。本研究は脳神経系におけるアポE特異的レセプター、VLDLレセプター(VLDLR)とアポEレセプター2(ApoER2)の機能解明を通して、リガンドであるアポEの脳神経系における役割やアルツハイマー病との関連の解明を目的とした。 我々は2つのアポEレセプターを欠損するマウスを作製し、さらにVLDLR/ApoER2を共に欠損するダブルノックアウトマウスを作製して詳細な解析を行った。VLDLRとApoER2をそれぞれ単独で欠損するマウスでは脳神経系の発達に軽微な異常しか示さないが、ダブルノックアウトマウスでは小脳性運動失調を特徴とする振戦・よろめき歩行を示し、組織学的には大脳皮質、海馬、小脳の層構造形成に異常が認められる。いわゆるリーラーマウスと呼ばれる神経変異マウスに酷似した表現型を示した。このマウスではタウタンパクが過剰にリン酸化されており、アルツハイマー病とも関連する可能性が示唆された。また、このマウス脳内において特異的に発現の変化を受けている遺伝子を解〓する目的でジーンチップを用いたディファレンシャルディスプレイ法によるスクリーニングを行った。その結果、suppressor of hairless、IGFBP3、CDC kinase inhibitorの発現がそれぞれ2.5倍、2倍、2倍に増加していた。一方、brain FABP、ヘモグロビンα鎖、neuronal protein 3.1の発現は37%、38%、43%に減少していた。さらに、これらの遺伝子の脳神経系の発達における機能を解析した。 一方、脳神経系におけるアポEと2つのアポE特異的レセプターの機能的関連を解析する目的で、アポE/VLDLRやアポE/ApoER2を欠損するダブルノックアウトマウスを作製した。これらのマウスは成長、外見、行動に異常は認められなかった。そこで、アポE/VLDLレセプター/アポEレセプター2を欠損するトリプルノックアウトマウスの作製し、その表現型の解析を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
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