Project/Area Number |
12210033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
伊藤 英晃 秋田大学, 医学部, 助教授 (80168369)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | ポリグルタミン / 蛋白質のフォールディング / 分子シャペロン / 熱ショック蛋白質 / ストレス蛋白質 |
Research Abstract |
脊髄小脳運動失調症(SCA1)はataxin-1の変異で発症する脳疾患である。トリプレットリピート配列を有するSCA1のQ(Gln)の複成過程で生じるエラーが、poly Q repeatを含んだ異常なataxin-1蛋白質の合成を誘導し、プルキンエ細胞核内に凝集体を形成し、最終的にはその細胞を死に至らしめ、SCA1の発症となる。さらに、正常プリオン蛋白質から異常プリオンへの変換は、プリオン蛋白質の高次構造変化(αへリックスからβシート構造の増大)と考えれれており、脳神経細胞内蛋白質のフォールディング異常が各種脳神経疾患と密接な関連があることが示唆されている。 分子シャペロン(以下HSP)は、新規合成蛋白質、モルテングロビュール構造、及び凝集蛋白質の正しいフォールディングに必須の機能を有する蛋白質であり、原核生物においては、GroEL/GroES(HSP60/HSP10)による蛋白質の折りたたみ機構がほぼ解明され、真核生物においても同様の蛋白質フォールディング機構が存在するものと考えられている。 この様な各種脳疾患において、HSPが如何なる生理機能を発揮するのかに関して以下の研究を行った。家族性ALSのモデルとして、変異SODのレコンビナントを作製した。A4T変異SODはin vitroで凝集塊を形成したが、HSP90やHSP70存在下では凝集塊形成は阻止された。同様に、DRPLA proteinのレコンビナントを作製した。Q19DRPLA proteinは凝集塊を形成しなかったものの、Q57DRPLA proteinは凝集塊を形成した。HSP90やHSP70存在下では凝集塊形成は阻止された。この様に、分子シャペロンはin vitroで蛋白質変性を抑制することが判明した。 現在、エレクトロポレーション法によりラット脳内にHSPを高発現させ、各種脳疾患モデルにおけるHSPの効果をin vivoで直接確認することを試みている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)