神経成長円錐運動と経路選択:ミオシン-Vの役割を探る
Project/Area Number |
12210039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石川 良樹 群馬大学, 医学部, 講師 (20212863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小浜 一弘 群馬大学, 医学部, 教授 (30101116)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | フィロポディア / ファシン / カルミウム / 細胞骨格 |
Research Abstract |
最近、ガイダンス分子がCa^<2+>を介して成長円錐運動を制御している可能性が高まってきた。ミオシンVはフィロポディアに局在するCa^<2+>受性Motor蛋白質、ファシンはやはりフィロポディアに局在するアクチン束化蛋白質で、突起伸長期に特異的に発現することから、成長円錐の運動性に深く関わっていると想像される。そこでこれらの蛋白質が突起伸長のダイナミクスで果たしている役割を、Ca^<2+>との関連を中心に、生化学的に解析した。ファシンのアクチン線維束の方向性は、HMM修飾後ネガティブ染色により電子顕微鏡で決定した。アクチン・ミオシン相互作用は、アクチンを蛍光標識し、ファシンで束化後、ミオシンVをコートしたカバーグラス上で滑り運動させて調べた。 その結果、(1)ファシンはアクチン線維を1方向性に揃えて束化し、フィロポディアと極めて似通った線維束を形成した。(2)このファシン/アクチン線維束は、ミオシンV上を、1本のアクチン線維と同じスピードで滑らかに滑走した。この運動はCa^<2+>によって阻害された。(3)ミオシンV濃度を高くすると、ファシン/アクチン線維束はマイナス端方向からバラバラに解けていった。この様子は、実際のフィロポディアが基部から解けていく様子に酷似していた。この運動もCa^<2+>によって阻害された。 以上の結果から、ガイダンス分子によってCa^<2+>濃度が上昇すると、ミオシンVの活性が抑制され、退行性の「流れ」及びアクチン束の解離がストップし、フィロポディア伸長が起こるという可能性が出てきた。今後ミオシンV、ファシン等の強制発現、ノックアウト等の手法で検証していきたい。また(1)の発見により、フィロポディアのアクチン線維の方向性がどうして一方向性に揃っているかという問題に関し、ファシンが重要な役割をしている可能性を示唆できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)