Project/Area Number |
12210041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
田代 朋子 青山学院大学, 理工学部, 教授 (50114541)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | ニューロフィラメント / 軸索内輸送 / 加齢変化 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
ニューロフィラメント(NF)の軸索内輸送速度は加齢に伴って著しく減速し、軸索近位部に貯留し始めることから、老化による輸送障害や軸索変性の一因となりうることを我々は示してきた。その背景にはNF同士あるいはNFと他の細胞骨格との相互作用の変化が考えられる。本研究では、NFの構造および輸送制御機構とその加齢変化を明らかにする目的で、(1)個体レベルの軸索内輸送、(2)NFを主体とする高次架橋構造、の二つの方向から解析を行った。 (1)ラット坐骨神経運動繊維の系を用いて、これまで軸索内輸送データがほとんどなかった発育初期や超高齢期を調べた結果、生後4-7日ではNF蛋白の輸送速度が4.5mm/日と、他の細胞骨格蛋白よりも速いことがわかった。この時期のNFは、NF-Hが少なく、NF-Mが多いという特徴を示す。生後3週にかけて、NF-Hが相対的に増加するとともに、NF-Mが減少し、輸送速度が低下する。110週齢以上の動物では、NF-Mが更に減少しており、NFの輸送速度がそのサブユニット構成によって調節されることを示唆している。 (2)成熟ラット脊髄からNFを抽出し、密度勾配遠心で精製した後、ビデオ増強微分干渉顕微鏡(VEC-DIC)、蛍光抗体法、蛍光標識法などにより、NF(3〜6mg/ml)の形成する集合体を観察した。その結果、A)密度の高いロープ状の凝集体およびB)網目状ゲルという二種類の構造が観察された。B)では粘度上昇がみられ、報告されているNFゲルに相当する。一方、A)はこれまでに記載のない、規則性を持った凝集体で、いったん生成すると非常に安定である。蛍光標識したNFを用いた再構成実験では、リン酸化型NFは大きな凝集体を形成するとともに、これに容易に組み込まれるが、脱リン酸化したNFは細かく分散しており、凝集体にも組み込まれにくいことがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)