哺乳類嗅覚系における新生神経細胞の動態を規定する機構の解析
Project/Area Number |
12210052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 正洋 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60313102)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 神経細胞新生 / 嗅球 / 顆粒細胞 / トランスジェニックマウス / GFP |
Research Abstract |
本研究は、哺乳類の嗅覚系で恒常的に起こっている神経細胞新生の、脳機能における機能的意義と分子機構を知ることを目的としている。我々は既に、神経幹細胞に発現するネスチン遺伝子の発現調節領域の支配下にGFPを発現するトランスジェニックマウスを作製し、嗅球の介在神経細胞である顆粒細胞の新生を、GFPの蛍光によって可視化できる生体系を樹立しており、このマウスを用いて解析を行っている。新生顆粒細胞の動態が匂い刺激によってどのように影響を受けるかを検討するため、マウスの一方の鼻孔を焼却して塞ぎ、匂い刺激を偏側性に遮断した。まず、BrdU投与によって新生顆粒細胞を標識し、その動態を経時的に観察したところ,顆粒細胞の産生量や、嗅球への移動については匂い刺激を遮断した側と健常側の間で有意な差は見られなかったが、その後匂い刺激を遮断した側では新生顆粒細胞が急速に脱落、消失していくことが分かった。GFP蛍光に基づき新生顆粒細胞の形態を観察すると、神経突起の発達が著しく抑制されており、その伸長方向も正常と異なりばらつきが見られた。これらのことから、新生顆粒細胞の成熟過程が、匂い刺激に基づく神経活動によってコントロールされていることが判明した。 逆に、強い匂い刺激を与えることの影響を調べるため、マウスにプロピオン酸を数ヶ月にわたり嗅がせ続けた。c-fos、zif268などの神経活動依存性に発現する分子の発現から、プロピオン酸によって嗅球の背内側部を中心とした特定の領域が活性化されることを確認した。現在その領域のGFP陽性顆粒細胞の数、形態について検討中である。また、嗅球のスライス培養、タイムラプス顕微鏡による観察法をセットアップしており、今後顆粒細胞の動態をリアルタイムで観察する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)