神経細胞のK+チャネル密度と性質を調節する分子機構に関する研究
Project/Area Number |
12210099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宋 文杰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90216573)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | potassium channels / αsubunit / βsubunit / single cell / RT-PCR / cholinergic interneuron / striatum / serial dilution |
Research Abstract |
電位依存性K+チャネルは神経細胞の発火パターンを決定する極めて重要なイオンチャネルであり、K+チャネルの機能の分子的基盤の解明は神経科学に於ける最重要課題のひとつである。K+チャネルの機能を決定する因子はチャネル密度、チャネルの電位依存性、およびチャネルのキネティックスである。神経細胞は適切にこれらの因子を調節して正常な神経機能を実現しているが、その調節の実態に関して不明な点が多い。 脱分極で活性化されるK+チャネルはイオンポアを形成するαサブユニットの4量体で構成されるとされているが、近年、βサブユニットもクローニングされ、その機能的な役割が研究されている。実際の神経細胞において、各サブユニットがどのようにチャネルの密度や性質に関与するのかを調べるために、それぞれのサブユニットの発現量を変化させて、チャネルの機能を調べる必要がある。そのため、人工的に培養神経細胞に各サブユニット遺伝子を導入することも考えられるが、本研究では、発達過程において単一神経細胞におけるK+チャネル各サブユニットの発現レベルの変化とK+チャネル電流の変化を定量的に調べ、その二者の関係から、K+チャネルの密度や性質の調節にαとβサブユニットの関与を明らかにする新しいアプローチを提案し、この提案を線条体コリン作動性細胞を用いて検証することを研究目的とした。同一細胞のサブユニットの発現量とK+チャネル電流の測定するには、本研究代表者が近年行われてきた定量的単一細胞RT-PCR法とパッチクランプ法の組み合わせを用いた。本年度では、電気生理学的な研究で、モデルとして用いている線条体コリン作動性細胞におけるK+電流の発達を調べると同時に、Kv4.2mRNAの発現レベルを単一細胞レベルで定量化した。その結果、線条体コリン作動性細胞におけるA電流の増加と共に、Kv4.2mRNAの発現レベルが増加したことが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)