体臓器由来の新規神経損傷修復因子による脊髄損傷部の改善・機能回復
Project/Area Number |
12210123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
堀江 秀典 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80046135)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 脊髄損傷 / マクロファージ / 酸化型ガレクチン-1 / 網膜 / 中枢神経再生 / 促進因子 / 脊髄後根神経節 |
Research Abstract |
体臓器由来新規神経活性化因子として肝由来の神経活性化因子をまたCOS1 cell(腎のcell line)由来の神経活性化因子として酸化型ガレクチン-1を発見した。これらの因子を脊髄損傷後の損傷部位へ投与してグリオーシスを改善し、再生軸索が損傷部を通過できるようにすることが目的である。この瘢痕部の克服により再生軸索が脊髄内を伸長し標的細胞に再結合し中枢神経機能の回復を実現させることが出来る。 成熟ラットより神経線維束を伴った脊髄後根神経節(DRG)を摘出しコラーゲンゲル内でDRGを器官培養する。また成熟ラットより網膜を摘出し小片に切断して同様にコラーゲンゲル中に包埋し器官培養する。すでに腎由来のセルラインCOS1セルの培養上清中にDRGの神経線維切断端からの軸索再生を促進する。因子が存在すること、その因子が酸化型ガレクチン-1であることを明らかにしてきた。この因子は損傷後の末梢神経の軸索再生を誘導する因子であることが明らかとなり、そのターゲットセルがマクロファージであることが判明した。更に酸化型ガレクチン-1でマクロファージを刺激しその培養上清をDRG器官培養系に作用させると、その脊髄側並びに末梢側の両側の神経線維切断端からの軸索再生を著しく促進させた。特に脊髄側の神経線維は脊髄内へと伸びていく軸索の経路で、その軸索再生を促進する因子は脊髄内の再生軸索の伸展を促進させる可能性を示唆する。またこの培養上清は網膜片からの神経突起再生を促進することから中枢神経再生を促進することが明らかとなった。以上の結果より酸化型ガレクチン-1で刺激されたマクロファージより脊髄損傷部からの軸索再生を促進する因子が分泌されていると推察される。現在開発中のin vitroの脊髄損傷モデルでこの因子の再生促進活性を確認するとともに、培養上清から活性因子を分離精製し同定していく計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)