脳幹アセチルコリン作動性システムの注意・動機付けの脳内機構への関与
Project/Area Number |
12210145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
伊佐 正 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (20212805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 康彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (70290913)
小林 康 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60311198)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 脚橋被蓋核 / アセチルコリン / サッケード / 強化学習 / 報酬 / 動機付け / ニホンザル / 反応時間 |
Research Abstract |
視覚誘導性サッケード課題遂行中の3頭のサルの脚橋被蓋核(PPN)から単一ニューロン活動記録(n=70)を行ったところ以下のような活動が見られた。 1.注視点の点灯前から漸増的に増加する活動(n=7)。この活動はその後の課題が成功かエラーに終わるかと極めて強く相関しており、動物のmotivationを反映すると考えられた。2.注視点に対する活動(n=34)。注視点の点灯後約100msの潜時で持続的ないしは一過性の活動の増加がトリガーされた。この活動もまたその後の課題の成否とよく相関していた。3.サッケードの直前に活動を増加させるニューロン(burst type cell n=26)と減少させるpause type cell(n=19)が観察され、前者は注視点の消灯とターゲットの点灯の間の数百ミリ秒間のGAP期間中にも活動を増加させる一方、後者は減少させ、いずれもサッケードの開始とその準備に関与することが明らかになった。4.報酬またはその予測に関与する応答も22個のニューロンで見られた。また一部のニューロンでは活動は報酬の量を反映していた。以上の結果からPPNニューロン活動は動物の動機付けや課題に対する注意、また運動の準備と遂行、報酬という様々な情報を有していることが明らかになった。また報酬の量を10-20回のブロックごとに変化させると注視点へのサッケードの反応時間は一回前の試行における報酬の量に反比例して、報酬が多いと短縮し、少ないと遅延した。それとともに試行開始時の脚橋被蓋核のニューロン活動も変化した。このことから注視点への反応時間は動物の動機付けの強さの指標となり、その変化と脚橋被蓋核のニューロン活動は密接に関連して変化することから、脚橋被蓋核ニューロンは動物の動機付けの強さを反映することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)