脳磁場(MEG)を指標としたヒト大脳皮質視覚野における言語音の神経表象の検討
Project/Area Number |
12210148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
渡辺 昌子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00321612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 理直 神戸松蔭女子大学, 文学部, 講師 (00273714)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 脳磁場(MEG) / 聴覚野 / ヒト / 音声 / 可塑性 / 学習 / 言語 |
Research Abstract |
語音の構成は言語によって異なるために外国語学習時には、母語に存在しない音素の認識、聞き分けが学習者にとって大きな課題となる。山田らの検討により、成人でも、トレーニングによって米語の/l//r/など日本語に含まれない音素の聞き分けを学習できることが確認されている。我々は/l/と/r/の聞き分けの学習に関与する神経基盤を探るために、学習の前後に誘発脳磁場成分ミスマッチフィールド(MMF)を記録した。MMFは1秒前後の短い間隔で繰り返し提示される同一の音(標準刺激)の中に、それとは異なる音響的特性を持つ逸脱刺激がまれに挿入された場合に、逸脱刺激に対して特異的に出現する誘発脳磁場成分である。逸脱刺激と標準刺激の間の心理的な距離が大きくなるのに従って、MMFの振幅は増大し、その潜時は短縮することが知られている。これまでの検討から、MMFは被験者の注意を必要としない、自動的な逸脱検出過程を反映した成分であると考えられている。 我々は右手利きの日本語話者16名(男性12名、女性4名)にトレーニングを行い、トレーニングの前後に脳磁場を測定した。被験者にラップトップコンピュータを貸与し、1セッション約30分のトレーニングを45セッション、23-50日かけて行った。3名の話者に対する聞き分け率をトレーニングの前後に測定した。3名の話者全員に対して聞き分け率が15%以上向上した9名の被験者のうち8名では左大脳半球から記録された脳磁場に以下の変化が認められた。4名の被験者では、トレーニング前には出現しなかったMMF成分が出現した。4名の被験者では、トレーニング後にMMF潜時が短縮した左側の聴覚野に起源のMMFが出現することを確認できた。聞き分け率の向上が話者によってばらつきがみられた被験者にはこのような変化が認められなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)