WRNヘリケース遺伝子ファミリーの機能異常による発癌機構の解析
Project/Area Number |
12213014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 稔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20311558)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | ヘリケース / ジーンターゲティング / ノックアウトマウス / 組み換え / 修復 |
Research Abstract |
ウェルナーヘリケース遺伝子ファミリーは、現在少なくともヒトでは5種類以上のメンバー(RecQ1,BLM,WRN,RecQ4,RecQ5)から成ることが知られているが、生体内における機能・役割分担はいずれも不明である。我々はこれら遺伝子ファミリーの機能異常と老化・発癌機構との関連を明らかにするため、ジーンターゲッティング法により各ノックアウトマウスを樹立し詳細な解析を行ってきた。以下にこれまで得られた知見及び今後の課題を要約する。 これまでの経過観察では、ウェルナーホモ変異マウスは、ほぼメンデル則に従って得られ、野生型やヘテロ変異マウスと比較して外見上の差は認められずほぼ正常に生まれてきた。その後の成長及び生存日数にも顕著な差は認められず、生後52週齢までに白内障や腫瘍形成は認められなかった。病理解剖解析の結果、各臓器における変化はマイルドなものが多かった。比較的顕著な変化としてホモ変異個体では、13週齢以後雌の卵巣萎縮が認められたが、雄の生殖腺では、40週齢を経過しても特に異常は認められなかった。また26週齢の雄の唾液腺では、消化酵素やフェロモン物質などを貯留している上皮分泌顆粒の減少が観察された。40週齢を経過すると、関節の滑膜内皮細胞の増殖や滑膜の線維化が観察された。しかしこれらの変化は患者の臨床像と比べ明らかに軽微であった。現在、トランスジェニックマウスgpt deltと交配させることにより、突然変異誘発頻度の測定を試みている。 一方、ロスモンド・トムソン症候群の原因遺伝子であるRecQ4ノックアウトマウスは、F1ヘテロ変異マウス同士の交配により生まれたF2マウスにはホモ変異マウスが存在せず、胎生致死であることが推察された。また、RecQ1ではホモ変異マウスがメンデル則に従って得られ、RecQ5については、現在キメラマウスまで得られており、詳細な解析は今後の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
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