ヘリコバクタ・ピロリ誘発胃MALTリンパ腫の進展に関与する遺伝子の同定-胸腺摘除マウスを用いた実験-
Project/Area Number |
12213066
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
千葉 勉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30188487)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 和一 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70145126)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
|
Keywords | MALTリンパ腫 / NF-κB / ヘリコバクタ・ピロリ / サイトカイン |
Research Abstract |
胃MALTリンパ腫の発症にはH.pylori感染が深く関与している。実際H.pyloriを除菌すると胃MALTomaの70-80%が治癒する。しかし一方で除菌に無反応で、low grade MALTomaからhigh grade MALTomaへと進展し悪性化の道をたどる症例が少なからず存在する。このようなMALTomaの進展の機序についてはいくつかの遺伝子異常の関与が報告されているがいまだ十分明らかではない。そこで本研究では胃MALTomaの進展に関与する遺伝子を明らかにする目的で、胸腺摘除Balb/cマウスにH.pyloriを感染させて胃MALTomaを作製し、high gradeへと進展したMALTomaとlowgrade MALTomaの組織を用いてdifferential disply,DNAチップ法を用いて、high gradeMALTomaへの進展に関与する遺伝子を同定する事を目的とした。生後3日目のBalb/cマウスに胸腺摘除をおこない、6-8週後にH.pyloriを感染させた。その後high gradeとlow grade MALTomaからRNAを抽出し、RT-PCRをおこないdifferential disply、DNAチップ法をおこなった。その結果、high grade MALTomaで高発現している遺伝子として、NF-kB,Bad,PI-3 kinase,Akt,lowgrade MALTomaで高発現している遺伝子としてNIK,IKK-β,IL-1β,traf-6,IL-7,IL-7R,Jak3,Stat5などが明らかとなった。以上のようにlow grade MALTomaでは炎症にともなうサイトカインさらにそれによる種々のアンチアポトーシス遺伝子が多く発現していたが、high gradeでは増殖因子に起因すると考えられる抗アポトーシスの経路が活性化されている可能性が示唆された。今後は特にdifferential disply法によって、MALTomaの進展に関与する未知の遺伝子を同定することに重点を置いて検討をすすめたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)