Project/Area Number |
12213076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本行 忠志 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90271569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 英治 大阪大学, 医学系研究科, 寄付講座教員
中島 裕夫 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20237275)
野村 大成 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90089871)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | 改良SCIDマウス / ヒト臓器置換SCIDマウス / "Cold-SSCP"法 / ヒト皮膚 / ヒト食道 / ヒト甲状腺 / p53 / c-kit |
Research Abstract |
IgG,IgMが検出限界以下のC.B17-scidマウスを20代以上選択交配した改良SCIDマウスを開発し、ヒト正常臓器・組織の長期(〜3年)継代維持を可能にした。本研究では、改良SCIDマウスに移植したヒト皮膚、食道、甲状腺正常組織の経時的観察と化学発がん物質(DMBA、MNNG、AMN、Urethane等)や放射線による悪性化の誘発を試み、悪性化過程に関与するがん関連遺伝子や、それぞれの組織の分化と機能発現を調べ、ヒトの前がん病変からがんに至る特性とその悪性化機構を究明することを目的とした。 本年度は、PCR-"Cold SSCP"法、direct sequence法により、p53,K-ras,c-kit,β-catenin,RET遺伝子等の変異を経時的に検出し、化学物質や放射線によるヒト皮膚、食道、甲状腺組織の発がん過程への関与を調べた。 1.紫外線により生じた皮膚がんでは複数のp53遺伝子変異に加えK-ras codon12およびc-kit codon561,825にも変異が見られた。 2.移植した正常食道組織にAMNを経口投与した11例では、p53に9例(81.8%)と高率に変異が認められた。 3.ヒト正常甲状腺組織では、X線0-20Gy照射群9例には変異を認めなかったが、24-60Gy照射群11例では、p53、c-kitに5例(45.5%)ずつ、K-rasに1例(9.1%)の変異を認めた。 以上の如く、ヒト正常組織を改良SCIDマウスに移植し化学物質や放射線を投与するとp53に加えc-kitにも変異が多く見られ、これらは、がん化に強く影響を及ぼしている可能性がある。K-ras,B-catenin,RETの変異は殆ど見られず、がん化への影響は少ないと考えられる。さらに移植ヒト正常組織の継代・維持を続け、化学物質、放射線の種類を変えて投与し発がん過程を明らかにしていきたい。また、確立したヒト皮膚がん細胞株を用い、ヒト皮膚がん関連遺伝子の同定と治療実験系を確立していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)