Project/Area Number |
12213101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 裕 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (90203249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70190999)
定永 倫明 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (20304826)
渋田 健二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70253531)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | FHIT / 消化器癌 / ゲノム解析 / LOH / STS / FHITタンパク質 |
Research Abstract |
【研究目的】 本研究の最終目的は、癌化に伴う遺伝子欠失の機序に関与するゲノム一次構造の特徴、特に欠失に共通する配列構造を明らかにすることである。初めに、ヒトの染色体で最も不安定な領域の一つである染色体3番3p14.2領域(FHIT/FRA3B領域)に存在するFHIT遺伝子のゲノム構造を大規ヘシークエンスし、次いで様々な癌腫におけるその染色体の変化を遺伝子配列のレベルで明らかにしたい。更に一般に癌抑制遺伝子として知られるp53、APCの発癌過程におけるゲノム配列上の変化、特に遺伝子の欠失(loss of heterozygosity)を引き起こすゲノム構造上に共通する配列の特徴を明らかにすること。 【結果と意義】 (1)我々あるいは公的データベース(ゲノム・プロジェクト)の進展によりFHIT/FRA3B領域のシークエンスは1Mb以上に拡大された。 (2)消化器癌におけるFHIT/FRA3B領域のゲノム構造を62例の外科切除大腸癌で検索した。大腸癌に関してはFHIT遺伝子中のdinucleotide markerとFHIT上流、下流にある3個のSTSマーカーによる欠失検索とmRNAの発現異常、また抗FHIT抗体による免疫組織学的検索を併せて行った。 その結果、臨床外科切除大腸癌において、3個のSTSマーカーの少なくとも一つに変化(LOHあるいはhomozygous deletion)が認められる症例は43例(70%)と極めて高率に認められた。 またmRNAレベルでFHIT発現異常(発現低下、発現消失あるいは異常mRNAの発現)は18例(30%)であった。更に免疫組織学的にFHIT蛋白発現の低下していた症例は31例(50%)に認められた。 更にFHIT蛋白の発現異常とmRNAの発現異常には有意な相関が認められ(p<0.05)更にFHIT蛋白の発現異常がゲノムの変異と強い相関(p=0.016)で関係していることが明らかになった。
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