Project/Area Number |
12213148
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
中川原 章 千葉県がんセンター, 研究局・生化学研究部, 部長 (50117181)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 俊文 千葉県がんセンター, 研究局・生化学研究部, 研究員 (40260252)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | p73 / p53 / c-Abl / PACK1 / 転写制御 / SAMドメイン |
Research Abstract |
p53がん抑制遺伝子の関連遺伝子であるp73の構造と機能を解析し、以下の諸点を明らかにした。 1.プロトオンコジンc-Ablはp73に結合しコドン99のチロシンをリン酸化して活性化することが報告された。しかし、その分子機構については不明な点が多いため、我々はp73のCOOH-端領域がその機能制御領域と仮定し、その領域の様々な欠失変異体を作製して、MDM2,p21/WAF1,Baxのプロモーターを用いたレポーターアッセイを行った。その結果、3種類のレポーターすべてにおいて、c-Ablはp73αとp73α(1-548)の転写活性化能を促進したが、p73α(1-427)のそれは促進しなかった。したがって、c-Ablによるp73αの転写活性化能の促進にはCOOH-端領域のSAMドメインが必要であることが示唆された。また、p53と異なり、c-Ablはp73αのDNA結合能には影響を及ぼさなかった。このことから、c-Ablの結合によるp73αの立体構造の変化が転写活性化能の亢進に関与しているものと思われた。 2.p73αのCOOH-末端領域の機能をさらに詳細に検討する目的で、この領域に特異的に結合する蛋白性因子の探索を試みた。p73の発現が比較的高い293細胞、およびヒト胎児性脳由来のcDNAライブラリーに対して、酵母のtwo-hybridスクリーニングを行ったところ、複数の陽性クローンが得られた。ブラストサーチの結果、最も高頻度に得られたクローンは、WD40ファミリーに属するRACK1(receptor for activated C-kinase)をコードしていることが判明した。RACK1は、in vitroでp73αと直接結合するが、p73βおよびp53とは複合体を形成せず、両者が細胞核内に共存した場合、RACK1がp73αとco-localizeする可能性が示唆された。また、MDM2およびBaxプロモーターを用いたレポーターアッセイの結果、RACK1は73αの転写活性化能を特異的に亢進させることが認められた。
|