Project/Area Number |
12215012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邊 利雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (60201208)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 転写因子 / AML1 / 造血発生 / 血管新生 / がん遺伝子 / 遺伝子破壊マウス / AGM領域 / RUNX |
Research Abstract |
互いに密接な関係にあると推定されている造血発生と血管新生の両者に共通する機構の実体は、依然として不明のままである。そこでこの問題を解明するために、一つの転写因子AML1を欠損したマウスに見られる胎児期血管新生と造血発生の二つの以上に関わる、共通の分子機構を明らかにすることを目的とした。血管発生をin vitroで見ることができるP-Sp領域の器官培養系ではAML1を欠損したマウスから成体型の造血発生が起きないと同時に血管新生が一切見られないことを明らかにした。次にこの血管新生の異常はAngiopoietin-1の添加で回復することを見出した。さらに、血管新生と造血発生との相互作用があることを想定し、AML1欠損マウスのP-Sp領域の器官培養系に造血幹細胞を添加したところAngiopoietin-1と同様に血管新生が回復された。これに加えて、造血幹細胞でのみAngiopoietin-1が発現していること、造血幹細胞を移植すると生体内で異所的に血管新生が起こることを示した。以上のことから、発生のある時期の特定の領域では造血幹細胞から供給されるAngiopoietin-1によって血管新生が起きているという、造血幹細胞の新しい機能を提唱した。この結果は高い評価を受けた。一方培養細胞における血管新生のモデルシステムを用い、転写因子AML1の機能阻害はこの細胞系の血管新生に対して抑制的に働くことを明らかにした。また、cDNA subtraction、cDNA Tipを用いた包括的解析によりAML1の標的遺伝子検索を行い、現在候補遺伝子を得つつある。
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