Ras欠損マウスを用いた細胞内Rasシグナル伝達経路と生理機能の解析
Project/Area Number |
12215025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 健司 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90253533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
饗場 篤 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20271116)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | K-ras / H-ras / N-ras / 標的遺伝子置換 / ES細胞 / ジーンターゲッティング / ノックアウトマウス / マウス |
Research Abstract |
がん遺伝子rasがコードするRasタンパク質は、細胞の分化、増殖に重要な働きをしていると考えられている。我々は、これまでにH-ras、N-ras、K-ras遺伝子欠損マウスおよびras多重遺伝子欠損マウスの解析を通して、Rasの個体レベルでの機能を明らかにしてきた。その結果、K-Rasが胎生期の発生に必須なこと、H-Rasが海馬のシナプス可塑性の制御に関わっていること等から、3種のRasに各種臓器での役割の違いがあることを明らかにした。一方、胎生致死であるK-ras遺伝子欠損マウスは、ヒトH-ras遺伝子を導入することにより救われた。さらに、内在性のRasタンパク質を全て欠失したH-ras、N-ras、K-ras遺伝子同時欠損マウスもヒトのH-ras遺伝子を導入することにより救われて生存した。すなわち、ヒトH-ras遺伝子導入マウスは、全ての内在性Rasタンパク質の代替が可能であることを示しており、Rasには機能的な重複も存在することが明らかとなった。そこで、新たにCRE-loxPシステムを利用してコンディショナルに遺伝子発現を制御できるヒトH-ras遺伝子導入マウスを作成した。このトランスジェニックマウスと胎生致死であるK-ras遺伝子欠損マウスとを交配した結果、生存するK-ras遺伝子欠損マウスが認められた。現在さらに、胎生致死であるras多重遺伝子欠損マウスが救われるかどうか交配を進めている。今後、このトランスジェニックマウスを用いて、任意の組織あるいは時期において導入遺伝子を欠失し、Rasタンパク質が全く存在しない状態を解析できると期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)