白血病原因遺伝子Evi-1による細胞増殖とアポトーシスの制御機構の解析
Project/Area Number |
12215030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒川 峰夫 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80312320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 紀子 東京大学, 医学部・附属病院, 医員 (00396748)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | 白血病 / Evi-1 / アポトーシス / JNK |
Research Abstract |
Evi-1は2つの領域に分かれた10個のZnフィンガー構造を持つ核内蛋白質をコードし、ヒトでは染色体の3q26上に存在する。Evi-1は正常の造血細胞ではその発現は極めて限られているが、種々の白血病でその活性化が起こることが知られており、造血細胞の悪性化に深く関与する遺伝子と考えられている。ストレスシグナルなどによって引き起こされるアポトーシスは、細胞増殖の制御を考える上で重要な機構である。これらのアポトーシスの誘導には、MAPキナーゼの一つであるc-Jun N-terminal kinase(JNK)が関与することが知られているが、今回われわれは、JNKの機能や活性化に対するEvi-1の影響を解析し、Evi-1が細胞のアポトーシスの制御機構に果たす役割を明らかとした。キナーゼアッセイにてEvi-1は、紫外線、anisomycin、sorbitol、TNF-αなどのストレスシグナルによるJNKの活性化を著明に抑制した。一方、他のMAPキナーゼであるp38やERKの活性は阻害しなかった。Evi-1はJNKと第1Znフィンガー領域を通して結合し、この結合がEvi-1によるJNKの抑制に必須であった。Evi-1はこの領域に依存して、JNKによるFasLの発現誘導や細胞のアポトーシスの誘導を抑制した。以上の結果より、ヒトの白血病の原因となるEvi-1遺伝子産物がJNKに結合し、その活性を阻害することによって、アポトーシスを抑制する機能を持つことが初めて明らかとなった。これらの知見はEvi-1による造血細胞の悪性化の機構を解明する上で、重要な手がかりとなると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)