膜ミクロドメインにおけるスフィンゴ糖脂質の細胞増殖と分化のシグナル制御機構
Project/Area Number |
12215058
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古川 鋼一 名古屋大学, 医学部, 教授 (80211530)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 圭子 名古屋大学, 医学部, 講師 (50260732)
沼田 真一郎 名古屋大学, 医学部, 助手 (20311714)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
|
Keywords | ガングリオシド / ミクロドメイン / ラフト / シグナル / 増殖 / アポトーシス / PDGF / TrkA |
Research Abstract |
細胞膜ミクロドメイン(GEM/DIM)における糖脂質糖鎖の構造的役割とシグナル制御における重要性について、糖鎖リモデリングを行って解析した。GM1合成酵素遺伝子導入PC12ではNGFによる分化誘導に抵抗性となった。NGF刺激後のシグナルが遅延し、約60-120分でTrkA/MAPKのリン酸化が認められた後、以後高レベルの活性化が持続したことが分化不応の機序と考えられた。また、無血清処置によるアポトーシス誘導に対して、GM1合成酵素遺伝子導入PC12は抵抗性を示すようになっており、その機序としてJNKの活性化の抑制が認められた。マウス線維芽細胞Swiss3T3細胞にGM1を高発現させた場合には、増殖速度の低下とPDGF刺激によるPDGF受容体/MAPK系の活性化レベルの低下が認められた。ショ糖密度勾配法により、Triton-X100不溶性のラフト画分を分離して、GM1発現細胞とコントロール細胞のPDGFR局在を検討したところ、GM1高発現細胞ではラフトに局在するPDGFRの量が著明に減少していた。PDGF刺激後もこの傾向は不変であった。さらに、マウス肺癌細胞株Lewisの低転移性亜株P29を用いて、静脈内注と腫瘍塊からの初代培養を繰り返した後、高転移性亜株の樹立に成功した。この高転移性株ではガングリオシドGM1発現の低下を認めたことから、逆にGM1合成酵素遺伝子を導入して、GM1高発現トランスフェクタントを作製した。その結果、コントロール細胞に比して著明な転移性低下を確認した。 PC12およびSwiss3T3においてGM1高発現トランスフェクタント細胞は、それぞれ分化刺激あるいは増殖刺激に対する反応シグナルの低下が認められた。共に、新たに発現したGM1が分化/増殖因子受容体の機能を抑制することが示唆された。またLewis肺癌の高転移性亜株の場合、GM1発現が経静脈性転移を抑制したことから、転移に必要なシグナルをGM1が抑制している可能性が示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)