癌細胞の浸潤・転移の制御調節に関わる血液凝固関連因子の分子細胞学的研究
Project/Area Number |
12215065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 春彦 三重大学, 医学部, 助手 (00324509)
林 辰弥 三重大学, 医学部, 助手 (00242959)
井戸 正流 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90167263)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | 癌浸潤 / 癌転移 / 腎癌 / 血栓止血因子 / プロテインCインヒビター / uPA / uPAインヒビター / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
我国においても欧米と同様に癌の発生率は増加しており、癌の発生と浸潤・転移機序の解明は重要な研究課題である。プロテインCインヒビター(PCI)は血漿セリンプロテアーゼインヒビターの一つで、血液凝固制御因子の活性化プロテインC(APC)の生理的阻害因子であるが、癌の浸潤・転移に重要な尿プラスミノゲンアクチベーター(uPA)も同様に阻害する。最近、我々はPCIの発現が腎癌患者の癌部では、非癌部でのそれに比較して著しく低下していることを見い出した。そこで、本年度は腎癌細胞の浸潤に及ぼすPCIの影響を、マトリゲルを用いたin vitro癌細胞浸潤モデルを用いて検討した。その結果、PCIは株化腎癌細胞、Caki-1細胞、のマトリゲルへの浸潤を低下させ、この低下は抗PCI抗体により阻害されることを認め、PCIがCaki-1細胞の浸潤を制御することを明らかにした。次に、PCIを強制発現させたCaki-1細胞を調整し、その浸潤能に及ぼす作用を検討した結果、PCI cDNAを含まない発現ベクターの挿入によるPCI非発現Caki細胞(Caki-Mock細胞)に比較して、PCI cDNAを含む発現ベクターを挿入したPCI発現Caki-1細胞(Caki-PCI細胞)の浸潤活性は著しく低下し、このPCI発現細胞の浸潤活性の低下を抗PCI抗体が阻害することを認めた。Caki-Mock細胞およびCaki-PCI細胞の培養上清中のuPA-PCI複合体を測定した結果、Caki-PCI細胞培養上清中のuPA-PCI複合体はCaki-Mock細胞のそれに比較して著しく増加していた。 以上の結果は、PCIがuPAを阻害することにより腎癌細胞のマトリゲルの浸潤を抑制することを示しており、このPCIの癌細胞の浸潤制御作用がin vivoにおいてもみられるか否か、現在検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)