分裂期チェックポイント異常によるアポトーシスの誘発
Project/Area Number |
12215109
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 文男 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (10019672)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 浩彦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (30261895)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
|
Keywords | 細胞応答 / 分裂期チェックポイント / アポトーシス / ヒト舌がん細胞 / チャイニーズハムスター細胞 / p53 / AIM-1 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
細胞周期チェックポイント制御とアポトーシス誘発は、それぞれ遺伝子変異の固定化の回避と異常細胞の能動的な排除に働いており、損傷を受けた細胞ががん化に至る過程を防止する最も基本的な細胞応答反応の現れである。本研究では、両者が連動して働いているか否か、特に分裂期チェックポイント異常がアポトーシス誘発のトリガーとなりうるか否かについて解析した。 実験には、p53が機能しているヒト舌がん由来SAS細胞とチャイニーズハムスター胎児由来CHE細胞、及び変異型p53を有するSAS/Trip248細胞とCHEmp53細胞を用いた。これら4種の細胞に紡錘体形成阻害剤を処理したところ、いずれの細胞も処理時間依存的に分裂期細胞が蓄積し、その頻度には大差は認められなかった。しかし、X線照射による一時的な分裂期細胞の消失の程度は正常型p53を持つ細胞の方が顕著に見られ、DNA損傷を介したG2/Mチェックポイントにp53が関与していることが示唆された。紡錘体阻害剤を処理した細胞では、p53の変異の有無に関わらず分裂期細胞の蓄積がピークに達した後にアポトーシスに特徴的な核凝縮した細胞が出現した。スタウロスポリン処理や紫外線照射の場合と異なり、明瞭な核の分断化像は観察されなかったが、この結果は紡錘体形成阻害がp53非依存性のアポトーシスを誘起することを示唆する。一方、分裂期制御に関わる遺伝子AIM-1の導入実験では、変異型p53を有する細胞においてのみAIM-1高発現細胞株が樹立できたが、正常型p53細胞では遺伝子導入細胞を選択する過程でいずれもアポトーシスにより死滅した。この結果より、分裂期制御遺伝子の強制発現が直接アポトーシスを誘発し、その細胞死にはp53が密接に関わっていることがわかった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)