Ser/Thrキナーゼ型受容体を介する情報伝達系のPDZ蛋白質による制御と発癌
Project/Area Number |
12215111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 邦博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (30281091)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | アクチビン / PDZドメイン / WWドメイン / Smad / フォリスタチン / FLRG |
Research Abstract |
TGF-βファミリー(アクチビン/TGF-β/BMPなど)の受容体やその細胞内シグナル伝達分子であるSmadの分子異常は癌発生に深く関与していることが報告されている。我々は最近、アクチビン受容体細胞内領域と結合する分子群ARIP及び新規アクチビン結合蛋白質FLRGを発見した。本課題では、アクチビンのシグナル伝達系の細胞内外での調節機構に検討を加えた。 1.ARIPによる制御 ARIP1は5個のPDZドメインと2個のWWドメインをもつ分子である。最もC末側に位置するドメインを介しアクチビンIIA型受容体と相互作用し、他のTGF-βファミリーのII型受容体には親和性を示さない。また、ARIP1はそのN末側に局在するWWドメインを介してSmad2/3と強く結合した。ARIP1を過剰発現させるとSmad3/2を介するアクチビンのシグナル伝達が阻害された。さらに、ARIP1はβ-カテニンともPDZドメインを介して結合することが判明した。ARIP1の過剰発現によりβ-カテニンの核移行が抑制された。これらの結果はアクチビン/Smad系とWnt/β-カテニン系のシグナル伝達経路のクロストークの存在を示唆すると同時に、ARIP1はシグナル伝達経路のメディエーターとして機能していることが考えられた。 2.FLRGによる制御 2個のフォリスタチンドメインを有するFLRGを見いだした。FLRGはアクチビンと強く、BMPと弱く結合していずれのシグナル伝達系も細胞の外で遮断する。FLRGは脳、胎盤、副腎、肺、精巣、卵巣などで高い発現が認められた。その発現調節の機構を理解するためにプロモーター領域の解析を進めている。現在までに、単離した2.6kbのプロモーター領域にGATA、SP1、Smad、NF-kappa Bの転写因子結合部位が複数個存在することを明らかにしている。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)