癌細胞膜上のMMP9前躯体新規活性化機構の発見と癌細胞浸潤機序の解析
Project/Area Number |
12215112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 裕司 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (70294725)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
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Keywords | 癌転移 / マトリックスメタロプロテアーゼ / プロセシング / プラスミン / ミニプラスミン / 癌浸潤 / アンチプラスミン |
Research Abstract |
炎症性細胞の浸潤を伴う癌組織では、マトリックスメタロプロテアーゼのMTI-MMP,MMP-1,MMP-9前駆体に対する極めて強い活性化プロテアーゼの存在することを見出し、これを精製して一次構造を決定することに成功した。その結果このプロテアーゼは、従来人工的に作り得ることが知られていたが、体内での生理的意義の解明されていなかったミニプラスミンであり、同時にアンギオスタチンが形成されている事を見出した。本研究では疎水性と酵素活性の高まった膜結合型ミニプラスミンの、細胞膜上でのMMP-9前駆体の活性化機序と特異阻害剤の解析を行った。Pro-MMP-9過剰発現細胞を用いてPro-MMP-9の成熟型への変換を検定した。従来試験管内でPro-MMP-9を活性化するプロテアーゼとして、トリプシン、プラスミン、MMP-3などが挙げられていたが、これまでで最も強い活性化作用を示すと言われていたトリプシンよりもミニプラスミンはさらに強い前駆体型MMP-9の活性化作用を示すことが判明した。さらに興味深いことはプラスミンの生体内での強力な阻害剤と言われているアンチプラスミンの阻害を、ミニプラスミンは受けにくいことである。以上のようにプラスミンがミニプラスミンに変換されることにより、1.分子量の減少に伴う基質特異性の拡大。2.親水性のアンギオスタチンの除去に伴う疎水性と膜結合性の獲得。3.リジン結合領域の除去によりアンチプラスミンへの親和性の消失といった新たな酵素学的特性が出現した。今後癌細胞の転移に、ミニプラスミンが直接どのようにかかわっているかを検討してゆく。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)