レセプター型チロシンキナーゼTIE2による腫瘍血管新生の制御機構の解析
Project/Area Number |
12215122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高倉 伸幸 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (80291954)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | 腫瘍血管新生 / TIE2 / 血管内皮細胞 / 造血幹細胞 / アンジオポエチン |
Research Abstract |
成体の様々な病態で生じる新しい血管の形成は、おもに既存の血管から新しい血管の分枝が発芽することにより生じる発芽的血管新生によって営まれると考えられている。そこで、発芽的血管新生の分子メカニズムを解明することによって、各病態、特に腫瘍の血管新生を抑制することで抗腫瘍効果が期待できると考えられる。血管新生の過程では、その遺伝子のノックアウトマウスの表原型から血管内皮細胞上に発現するレセプター型チロシンキナーゼであるTIE2とその結合因子、アンジオポエチン(以下Ang)が重要な機能を果たすと考えられた。血管構造の安定な状態は血管内皮細胞を壁細胞(平滑筋細胞、ペリサイト)が接着、裏打ちする状況によりもたらされ、これは壁細胞から分泌されるAng1により誘導される。また血管の発芽の開始には壁細胞が内皮細胞から離解する必要があるが、これは血管内皮細胞から分泌されるAng1のアンタゴニスト、Ang2によって誘導される。また発芽を開始した血管が一定の領域で血管網を形成する際、まず造血幹細胞が虚血局所に移動し、Ang1を分泌することにより、血管をケモタキシスによって局所に誘導することが解明された。これらの機構を制御することにより、腫瘍血管新生を抑制する試みとして、本年度は腫瘍組織内に侵入する造血幹細胞数を減少させることによる抗腫瘍効果を試みた。造血幹細胞の生存を阻害するc-Kitのブロッキング抗体を、腫瘍細胞をヌードマウスの皮下へ移植する際に同時に投与すると、腫瘍内の造血幹細胞は減少し、腫瘍血管新生も抑制され、腫瘍の増大も抑制されることが判明した。今後、この原理を応用し、腫瘍内への造血幹細胞の効率のよい、侵入阻止手段を検討するとともに、前述した壁細胞と血管内皮細胞との接着、解離を制御することによる抗腫瘍血管新生について検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)