TGFβによるストレス応答キナーゼMTK1の活性化機構と癌における制御異常の解明
Project/Area Number |
12215126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 睦寛 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30322332)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | MAPキナーゼ / TGFβ / GADD45 |
Research Abstract |
TGFβによるストレス応答MAPキナーゼの活性化機構とTGFβの発癌抑制作用におけるその役割を明らかにするため、これまでに我々が同定したストレス応答MAPKKK、MTK1および、その活性化因子GADD45関連遺伝子(GADD45α/β/γ)がTGFβのシグナル伝達に関与するか検討を行った。 TGFβにより増殖抑制の誘導されるTGFβ応答細胞を用いた実験から、TGFβ刺激により一部のGADD45関連遺伝子が強く発現誘導され、またその発現量の経時変化はp38MAPキナーゼ活性化のタイムコースとほぼ一致することを見出した。一方、TGFβ不応答性細胞ではGADD45関連遺伝子の発現誘導およびp38の活性化は認められなかった。さらに遺伝子導入実験によりTGFβによるp38の活性化にSmad分子を介する新たな経路が存在することを見出した。またドミナント・ネガティブMTK1はTGFβによるp38の活性化を抑制することから、この経路にMTK1の活性化が関与することが示唆された。 さらにMTK1を介するシグナル伝達の異常と発癌との関連を明らかにするため、酵母細胞を用いてMTK1の機能異常を検出する新たな方法を開発し、この方法を用いて幾つかのヒト胃癌、肺癌細胞にMTK1の遺伝子変異が存在することを見出した。またin vitroにおいてこれらの遺伝子変異によりMTK1のキナーゼ活性化が消失することを確認した。以上の結果からTGFβによるストレス応答MAPKの活性化に、Smad蛋白質およびMTK1を介する新たな経路が存在し、その異常が発癌に関与することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)