新規なシアル酸修飾機構によるがん細胞の浸潤・転移の抑制の検討
Project/Area Number |
12215169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
金森 審子 愛知県がんセンター, 分子病態学部, 研究員 (00261173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神奈木 玲児 愛知県がんセンター, 分子病態学部, 部長 (80161389)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | 浸潤・転移 / 細胞接着 / セレクチン / シアル酸 / 修飾機構 / 遺伝子単離 / 発現クローニング法 |
Research Abstract |
がん細胞の浸潤や転移には、細胞接着分子セレクチンが大きく関与している。我々は、セレクチンリガンド糖鎖である、硫酸化シアリルLe^x糖鎖上のシアル酸残基の新規な修飾構造(サイクリックシアル酸と表す)を見い出した。サイクリックシアル酸を有する硫酸化シアリルLe^xはセレクチン結合能が極めて弱く、この代謝経路は細胞表層でのセレクチンに対するリガンド活性の不活性化経路としての意味をもち、セレクチンを介した細胞接着を調節すると考えられる。本研究では、硫酸化サイクリックシアリルLe^xに特異的に反応するG159抗体を用いた発現クローニング法により、サイクリックシアル酸生成に携わる酵素、シアル酸シクラーゼの遺伝子単離を試みた。その結果、複数の遺伝子を共発現させて初めてG159抗原の発現が認められ、硫酸化サイクリックシアリルLe^xの発現には複数の因子の共存が必要なことが示唆された。現在、単離された複数の遺伝子がコードするタンパク質の同定を試みている。また、酵素の基質特異性として、シアリルLe^x糖鎖上の硫酸基の有無の影響等を検討中である。G159抗体及び新規に調製したサイクリックシアリルLe^xを認識する抗体を用いた組織染色で、正常組織はG159抗体で染色されたが、がん組織は顕著な染色は認められなかった。シアリルLe^xを高発現したがん細胞が検出される患者は予後が悪い傾向が報告されており、正常な体内でセレクチンリガンドの量を調節しているシアル酸シクラーゼが、癌化にともない何らかの理由でうまく機能しなくなっている可能性がある。そこで、単離した遺伝子を培養がん細胞株に遺伝子導入し、浸潤・転移能、細胞接着能の変化を調べる一方、正常及びがん組織での発現パターンを調べ、がん細胞の浸潤・転移能との相関性を検討し、がん細胞の浸潤・転移の抑制へ活用することを考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)