Project/Area Number |
12217044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳澤 純 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (50301114)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | BRCA1 / DRIP220 / 転写の制御 / クロマチン構造 |
Research Abstract |
乳癌の罹患率は中若年層の癌罹患率中で最も大きな割合を占め、子宮癌も含めると全罹患数の35%にも達する勢いであり、社会的にも大きな問題となっている。BRCA1(breast cancer susceptibility gene)遺伝子は、癌抑制遺伝子でありこの遺伝子の変異は乳癌の発症と深く関わっている。乳癌より見い出された変異の多くはBRCA1のC末端側に存在する転写活性化領域(BRCT)内に位置し、その転写活性化能を消失させることが報告されていることから、BRCA1の転写活性化能と癌化との間には何らかの関連があるものと考えられる。我々は、野生型BRCA1に結合し、乳癌組織より見い出された転写活性を持たない変異型BRCA1(mBRCA1)に結合しない因子群を精製し、DRIP220およびGCN5を取得、同定した。DRIP220はビタミンDレセプター(VDR)にリガンド依存的に結合する転写共役因子複合体に含まれる蛋白質であり、VDRに結合して基本転写因子群との仲介をし、転写活性化に寄与するものと考えられている。最近、このDRIP複合体はVDRの転写活性化に寄与するだけでなく、ERを含む他の核内レセプターや転写因子にも結合し、転写の制御において重要な役割を果たしていることが次第に明らかとなりつつある。一方、GCN5はヒストンをアセチル化することによってクロマチン構造を弛緩させる能力を有し、基本転写に関わる因子として位置付けられている。DRIP220,GCN5は野生型BRCTに結合し、その転写活性を促進することが明らかとなった。また、DRIP220は野生型BRCTに結合するものの変異型BRCTには結合しないことから、BRCA1の癌抑制機能に必須である可能性があり、現在解析中である。
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