Project/Area Number |
12217056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
松本 英樹 福井医科大学, 医学部, 助教授 (40142377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 幸子 福井医科大学, 医学部, 助手 (00218570)
加納 永一 福井医科大学, 医学部, 教授 (70065910)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | アポトーシス / p53 / X-rays / Inducible Nitric Oxide Synthase / Nitric Oxide / バイスタンダー効果 / 細胞間シグナル伝達系 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
【目的】 放射線治療において、その治療効果は放射線による直接的ながん細胞の致死効果と放射線に対するがん細胞の細胞間での応答現象を介した間接的な致死効果(Bystander効果)の総和として現れてくると考えられる。本研究はこのNOラジカルによるp53依存性の放射線誘発Bystander効果のメカニズムを解明することを目的とした。 【方法と結果】 1.NOラジカルをイニシエーターとする細胞間シグナル伝達系に介在する種々のメディエーターの解明 NOラジカルをイニシエーターとする「細胞間シグナル伝達系」のメディエーターとしてNitrite(亜硝酸イオン)が介在することを放射線抵抗性の誘導において確認した。 2.変異型p53保有細胞からの内因性NOラジカルによる放射線抵抗性誘導或いはアポトーシス誘導におけるスイッチ分子の解明 NOラジカル発生剤、亜硝酸塩及び硝酸塩を用いた実験からラジカル状態で細胞に作用する場合はアポトーシスを誘導し、亜硝酸又は硝酸イオンとして細胞に作用する場合は放射線抵抗性を誘導する可能性が示唆された。 3.ヌードマウス移植ヒト腫瘍(野生型及び変異型p53保有腫瘍)におけるNOラジカルをイニシエーターとする細胞間シグナル伝達系の存在の存在の解明 同一ヌードマウスの両側大腿にそれぞれ野生型及び変異型p53保有腫瘍を移植し、片側のみにX線を照射し、反体側の腫瘍の変化を、腫瘍増殖曲線解析、TUNEL法によるアポトーシス解析、免疫組織学的手法によるPARPの断片化の解析から検討し、変異型p53腫瘍に照射した時の反体側の野生型p53腫瘍において腫瘍増殖遅延が起こり、それがアポトーシス誘導に起因することを明らかにした。 【考察】 以上の結果より、個体レベルにおいてもNOラジカルをイニシエーターとする細胞間シグナル伝達系の存在が証明され、放射線治療におけるバイスタンダー効果の存在が確認された。
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