Project/Area Number |
12217124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 哲治 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10284994)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥8,900,000 (Direct Cost: ¥8,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥8,900,000 (Direct Cost: ¥8,900,000)
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Keywords | GST-π / 抗癌剤耐性 / アルキル化剤 |
Research Abstract |
抗癌剤耐性因子の一つであるGlutathione S-transferase(GST)-πの特異的阻害剤であるγ-Glutamyl-S-(benzyl)cysteinyl phenylglycine(diethyl ester)を合成し、GST-πによる抗癌剤耐性の克服を試みた。GST-π発現を有する大腸癌細胞株M7609をメルファランと種々の濃度の阻害剤で処理したところ、メルファランのIC50は阻害剤の濃度に依存して低下した。同様に、薬剤耐性にGST-πが関与していると考えられるCDDP,VP-16,adriamycinのM7609に対するIC50も阻害剤の添加によりそれぞれ有意に低下した。一方、GST-πが耐性に関与していないと考えられる5-FU,Vincristine,mitomycin C,TaxolなどのIC50は阻害剤を添加しても変化しなかった。M7609をヌードマウスの側腹部に接種し、GST-π阻害剤とともにadriamycinを投与したところ、阻害剤投与群では非投与群に比べて腫瘍径が有意に縮小した。つまり、GST-π特異的阻害剤を投与して腫瘍細胞内のGST-π活性を阻害することにより、種々の抗癌剤に対する耐性を克服しうることが示唆された。一方、アルキル化剤であるphisphorodiamidateとglutathineを結合させることにより、GST-πにより活性化されるアルキル化剤γ-glutamyl-α-amino-β-[[2-ethyl-N,N,N′,N′-tetrakis(2-chloroethyl)phosphorodiamidate]sulfonyl]propionylglicineを合成した。M7609とGST-π濃度の高い多剤耐性細胞M7609/GSTに対するこのアルキル化剤のIC50を検討したところ、後者で有意に低かった。同様に、乳癌細胞株MCF-7とそのGST-π導入細胞MCF-7/GSTに対するこのアルキル化剤のIC50は後者で有意に低かった。つまり、GST-π発現が高く、種々の薬剤に耐性を示すはずの耐性細胞に対してより有効に作用することが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)