放射線治療の効果判定因子としてのテロメラーゼ構成分子の意義と遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
12217125
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 直樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10158644)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 大介 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50295359)
八木橋 厚仁 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40260757)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
|
Keywords | 放射線治療 / 遺伝子治療 / テロメア伸長反応 / テロメラーゼ / テロメラ結合蛋白 / hTERT / TRF1 / TRF2 |
Research Abstract |
放射線照射により、癌細胞のテロメラーゼ活性が低下すること、すなわち標的分子の一つであることが明らかにされてきた。最近、ヒトテロメラーゼの構成分子(鋳型RNAであるhTR、触媒蛋白hTERT、付属蛋白hTEP1)に加え、テロメラーゼのテロメア領域への結合を阻害するTRF1やTRF2などテロメア結合蛋白もクローニングされた。しかし、各構成分子および結合蛋白の遺伝子発現を定量的に解析することが困難であったため、放射線照射によるテロメア伸長反応の制御機構については、未だ明らかにされていない。そこで、本研究では初めに、胃癌、乳癌および造血器悪性腫瘍患者の検体を対象とし、テロメア伸長反応の制御機構を解析した。癌組織や造血悪性腫瘍細胞のテロメラーゼ活性値(TPG)は、対照とした非腫瘍のそれに比べ高値を示した。テロメラーゼ構成分子のうち、hTRとhTEP1は非腫瘍でも発現しており、膵癌細胞を放射線照射した際にもhTERTのみがTPGと同様の挙動を示すことから、hTERTがTPGの規定因子と考えられた。しかし、TPGとテロメア長との間には、有意な相関関係はみられなかった。そこで、テロメラーゼのテロメア領域へ結合を阻害するテロメア結合蛋白TRF1,TRF2やTIN2のmRNA発現量を解析したところ、腫瘍では非腫瘍に比べ明らかに抑制されていた。すなわち、細胞がテロメア伸長反応を介して不死/癌化するためには、テロメラーゼ分子の発現とともに、テロメア結合蛋白による負の制御からの解除という、少なくとも2つのステップが必須と考えられた。このことは、放射線併用遺伝子療法の開発に際しては、この両面からのアプローチが重要なことを意味している。今後、この点に関し研究を進める予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)