複製型ヘルペスウイルス血管内投与による複合遺伝子治療
Project/Area Number |
12217134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢崎 貴仁 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80200484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 淳男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60306719)
池田 圭朗 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10222879)
河瀬 斌 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095592)
須川 誠 中外製薬(株), 主任研究員
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | 悪性脳瘍 / 単純ヘルペスウイルス / 抗ウイルス免疫 / 特異的プロモータ |
Research Abstract |
本年度は、複製型ヘルペスペクターを用いたウイルス療法において、これまで行ってきた浸潤抑制蛋白を同時に発現させる方法を動物実験にて検証するとともにその安全性の確認を行い、さらにウイルスを投与後に腫瘍内で抗ウイルス免疫によって攻撃され不活化することを抑制することによって、抗腫瘍効果の増大を図る研究を行った。さらに、ウイルスの腫瘍特異性を高めるため、前立腺癌特異抗原PSA、悪性グリオーマ特異抗原としてMusashi-1に着目しそのプロモーター活性を解析した。(1)TIMP2発現HSVベクターを高濃度に濃縮し、生存解析上十分な治療効果を示す濃度にて、正常マウスに静脈内投与したのち、各臓器別にウイルスによる傷害が起こっていないかどうかを、組織および免疫化学的に解析したところ、明かな傷害は認められなかった。(2)患者血清により治療用ウイルスが不活化されるかどうかを解析したところ、抗HSV抗体を有する患者で有意に不活化され、その期間は殆ど24時間以内であった。(3)化学療法(CHOP)、(MCNU+VCN)中の患者血清では、抗ウイルス活性は有意に抑制されていた。(4)抗ウイルス免疫を抑制するため、シクロホスファミドをウイルスと同時に腹腔内投与したところ、ウイルスの不活化が有意に抑制され、動物実験で抗腫瘍効果の有意な増加を認めた。(5)以上よりウイルス療法を悪性腫瘍に対する化学療法と同調させることで、より高い治療効果が得られることが予想された。(6)PSAおよびMusashi-1プロモータ下流にLacZを挿入し、各種細胞株に遺伝子導入したところ、他の細胞株と比べてPSAでは前立腺癌、Musashi-1ではグリオーマで有意なプロモータ活性を示した。(7)このことは、腫瘍特異的プロモータによりウイルス複製を制御させることによって、より特異性の高い治療用ベクターが開発出来ることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)