Project/Area Number |
12217140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田沼 靖一 東京理科大学, 薬学部, 教授 (10142449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 大介 東京理科大学, 薬学部, 助手 (90277278)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | DNaseγ / モノクローナル抗体 / X線 / 胸腺細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究の準備としてDNaseγを特異的に認識するモノクローナル抗体、hg302及びhg303の作製を行った。本研究ではまず、これら二種のモノクローナル抗体の特性について詳細に検討を行った。 hg303はウエスタンブロットにおいてヒトDNaseγを特異的に検出し、hg302は免疫沈降、免疫組織染色においてヒト、ラット、及びマウスDNaseγを認識した。いずれの抗体においても、他のDNase Iファミリーエンドヌクレアーゼとの交差反応は観察されなかった。hg302を用いX線照射によりアポトーシスを誘発したラット胸腺細胞におけるDNaseγの局在を調べたところ、興味深いことに生細胞においてシグナルは検出されず、アポトーシス細胞の核が強く染色された。すなわち、hg302はアポトーシス細胞の核に存在するDNaseγを特異的に認識することが明らかとなった。HaLa S3細胞にDNaseγを強制発現した系においても同様の結果が得られた。以上2つの系において、アポトーシス誘発前後におけるDNaseγのタンパクレベルはほぼ一定であることから、hg302は免疫染色においてアポトーシス細胞の核に局在する活性化DNaseγを特異的に認識することが示された。現在、hg302がなぜ活性化DNaseγのみを認識するのかは不明であるが、生細胞においてDNaseγと相互作用し、hg302のエピトープをマスクしているような因子の存在が一つの可能性として考えられる。 今回作製されたDNaseγ特異的モノクローナル抗体は、DNaseγを特異的に検出するELISA系、及びウエスタンブロット系を構築するにあたり十分な特異性を有していることが明らかとなった。今後、卵巣癌、子宮癌等の婦人科領域の癌細胞におけるDNaseγの発現の有無を調べ、さらには抗癌剤作用機序、及び癌の悪性度診断等への応用に向けた基礎実験を行う予定である。
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