抗癌剤で誘導される遺伝子及びその転写制御を分子標的とした癌治療に向けた基礎研究
Project/Area Number |
12217150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
河野 公俊 産業医科大学, 医学部, 教授 (00153479)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | V-AJPase / STAT3 / クロマチン / YB-1 / p53 / HMG1 / CTF / NF-1 |
Research Abstract |
抗癌剤の中でもDNA障害を惹起するシスプラチンは、固形腫瘍の治療には必須の薬剤である。しかしシスプラチンとの接触がどの様に癌細胞の運命を制御する細胞内シグナルに変換されるのかは不明である。このシグナル伝達系の解明は、シスプラチンの分子薬理作用を知るだけでなく、効果増強法の考案や確かな分子標的治療を目指す遺伝子制御薬剤の開発においても重要な研究課題である。本研究では、転写制御を分子標的とする治療を考察する上でモデルとなる遺伝子群の解析を進め以下の点を明らかにした。 1.シスプラチンで誘導される遺伝子群及び耐性細胞で高発現している遺伝子群の単離と同定を行った。誘導される遺伝子としてpH制御分子の一つであるV-ATPase(プロトンポンプ)、耐性細胞で高発現している遺伝子としてHMG1を同定した。プロモーター領域の単離はV-ATPaseのサブユニットC、DとF遺伝及びHMG1遺伝子について行い、塩基配列の決定を行った。(現在プロモーター活性の解析が進行中である。) 2.トポIIα及びSTAT3遺伝子のプロモーターについてエピジェネティックな変化として、アセチル化やそれに起因するクロマチン構造の変化を見い出した。 3.転写因子間の分子会合解析をシスプラチン障害で活性化されるp53を中心として行い、YB-1とp53の子会合とその意義について明らかにした。今後は新しい転写因子のクローン化を目指し薬剤感受性に直接関与する遺伝子を同定したい。また核内のDNA damage detectorとDNA damage sensorの核内分子会合マップを完成させたい。現在、p53ファミリーのp73にも着目してこれらの分子とHMG蛋白群の会合解析を始めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)