生理的条件での効率的な三重鎖DNA形成によるがん遺伝子の発現制御
Project/Area Number |
12217158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鳥越 秀峰 理化学研究所, 細胞材料室, 先任研究員 (80227678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 厚 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (40190566)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 三重鎖DNA / アンチジーン法 / 人工的癌遺伝子発現調節 / 人工ポリマー / 化学修飾 / 生理的条件 / 熱力学 / 速度論 |
Research Abstract |
外部から加えた単鎖DNAが癌遺伝子などの標的遺伝子の二重鎖DNAに特異的に結合して三重鎖DNAを形成し、この立体障害により転写制御因子などが標的遺伝子の発現制御領域に結合するのを阻害し、下流の遺伝子発現を人工的に制御するアンチジーン法が注目されている。しかし三重鎖DNAは酸性では安定に形成されるが、中性では不安定であり、in vivoにおけるアンチジーン法の適用の障害となっている。そこで、ポリL-リジンの側鎖にデキストランを結合した人工ポリマーを開発し、これが共存すると、従来の三重鎖DNA安定化剤よりも生理的中性で100倍安定に三重鎖DNAを形成できることを明らかにした。また、糖の2'と4'をメチレンでリンクした新規のリン酸骨格を有する核酸2',4'-Methylene Bridged Nucleic Acid(2',4'-BNA)を単鎖核酸として用いると、生理的中性で20倍安定に三重鎖DNAを形成できることも見い出した。 またこれと並行して、外部から加えたDNAを標的の臓器の細胞に特異的に到達させ、標的癌遺伝子発現を人工的に制御するためのデリバリーシステムの構築を行った。ポリL-リジンの側鎖にヒアルロン酸を結合した人工ポリマーと共に、二重鎖DNAをラットの血中に投与すると、ポリマー中のヒアルロン酸が肝臓の肝類洞内皮細胞表面のヒアルロン酸受容体と特異的に結合する性質により、二重鎖DNAを肝臓細胞特異的に運搬できることを見い出した。この方法は、三重鎖DNA形成用の単鎖核酸を標的の臓器の細胞に特異的に到達させるのにも適用できると考えられる。 以上の結果は、in vivoでのアンチジーン法による人工的癌遺伝子発現制御の実用化に向けて大きな進展をもたらすと期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
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[Publications] Torigoe,H.,Hari,Y.,Sekiguchi,M.,Obika,S.,and Imanishi,T.: "2'-O,4'-C-Methylene Bridged Nucleic Acid Modification Promotes Pyrimidine Motif Triplex DNA Formation at Physiological pH"J.Biol.Chem.. 276. 2354-2360 (2001)
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[Publications] Maruyama,A.,Kim,W.J.,Ishihara,T.,Ueda,M.,Torigoe,H., et al.: ""Regulation of DNA Functions by Cationic Graft Copolymers" in "Biomaterials and Drug Delivery toward New Millennium""Han Rim Won Publishing Co.. 175-181 (2000)
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