遺伝子導入によって活性化された樹状細胞による抗原提示能の強化に基づいた抗腫瘍効果
Project/Area Number |
12217161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
田川 雅敏 千葉県がんセンター, 研究局・病理研究部, 部長 (20171572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 継揚 千葉県がんセンター, 研究局・病理研究部, 研究員 (80231041)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | CD40リガンド / TNF-alpha / Fasリガンド / 遺伝子治療 / 抗原提示 |
Research Abstract |
腫瘍特異的なキラーT細胞の誘導には、適切な抗原提示が不可欠であり、ナイーブなT細胞を活性化しうる樹状細胞がこの役割を担う。そこで、本研究では樹状細胞をまず腫瘍周囲に集積させた上で、活性化を行なうことの有用性について基礎的検討を行なった。すなわち、抗原提示能に関与する分子の遺伝子を腫瘍細胞に導入して、抗腫瘍効果が惹起されるかどうかを検討した。使用した分子は、活性化シグナルを担うCD40ligand、腫瘍周囲への集積性に関与するTNFα,Fas ligand分子であり、腫瘍細胞は2種類のマウス肺がん細胞を使用した。結果は2種類の腫瘍とも同じであり、(1)CD40ligand遺伝子導入腫瘍を同系マウスの皮下に接種した場合、腫瘍の増大が抑制され肺転移数が減少した。(2)TNFα遺伝子導入腫瘍を皮下に接種した場合、局所の腫瘍の増大は変わらなかったが、肺転移巣数は減少し、末梢リンパ組織にはCD4、CD8、Mac-1陽性細胞数の増加が観察された。(3)Fas ligand遺伝子導入腫瘍の場合、腫瘍は生着せず接種したマウスに抗原特異的な抗腫瘍効果を惹起したが、この遺伝子導入細胞を放射線処理後、マウスに免疫すると腫瘍に対する免疫応答が抑制された。また、放射線処理後のFas ligand遺伝子導入腫瘍を腹腔内投与して得られる滲出液中のTGF-β量は、放射線処理後の親株投与の場合に比較して増加していた。したがって、Fas ligandを発現した腫瘍細胞がアポートシスを起こすと、この腫瘍に対する抗原提示能は低下すると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)