アレル特異的遺伝子発現の定量的比較による、遺伝性腫瘍の病態解明と診断に関する研究
Project/Area Number |
12217169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
村上 善則 国立がんセンター, 腫瘍ゲノム解析・情報研究部, 室長 (30182108)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | アレル特異的発現 / 遺伝子診断 / 遺伝性非ポリポーシス性大腸がん / 遺伝性網膜芽細胞腫 |
Research Abstract |
我々は、遺伝子多型による細胞、個体の多様性の原因として、遺伝子産物の構造上の差違のみならず、遺伝子発現量や発現応答性の差違が重要であると考え、まずSSCP法を用いてアレル特異的な遺伝子発現量を高度定量的に解析できるRNA Difference Plot(RDP)法を確立した。この方法は、多型を示すゲノムDNA、並びにmRNAから得たcDNAの同一断片を、蛍光標識プライマーを用いてPCRによりそれぞれ増幅し、塩基配列自動解析装置を用いたSSCP解析により分離した後、各増幅産物の量比を測定するもので、最適条件の検討により、アレル特異的遺伝子発現量を標準偏差10%以下の制度で定量的に解析することが可能となった。そこでRDP解析を用いて、常染色体上の遺伝子の両アレルからの発現量が、正常末梢血リンパ球細胞においては、正確に等量であること、従って、アレル特異的発現量を比較、定量することにより、遺伝子の不活化変異を検出、診断することが可能であることを示した。次に、エクソン領域の一塩基多型(cSNP)を指標としたRDP解析を、遺伝性腫瘍である網膜芽細胞腫、並びに家族性非ポリポーシス性大腸がん(HNPCC)の遺伝子診断法として確立するための基礎実験、ならびに条件設定を行った。そして、臨床的に遺伝性であることが明らかであるにも関わらず、遺伝子のコード領域の塩基配列の異常を示さず、また、FISH法等によっても遺伝子欠失等の構造異常を認めないことから判定保留となっていた網膜芽細胞腫症例に関して、適当なSNPを指標としたRDP解析を行い、予備的な実験において、3例中2例で片側のアレルからのRB遺伝子の発現の選択的低下を検出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)