Project/Area Number |
12217174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
神奈木 玲児 愛知県がんセンター, 分子病態学部, 部長 (80161389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 審子 愛知県がんセンター, 分子病態学部, 研究員 (00261173)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 細胞接着分子 / セレクチン / 大腸癌 / 血行性転移 / 血管内皮細胞 / シアリルLe^x / シアリル6-スルホLe^x / 糖ヌクレオチドトランスポーター |
Research Abstract |
癌細胞の表面にシアリルLe^aやシアリルLe^xが強く発現する患者では血行性転移がおきやすいことは、すでに大腸癌、乳癌、肺癌などで明らかになっている。今年度は胃癌について申請者の施設における統計成績をまとめ、やはりセレクチンのリガンドを強く発現する患者で予後が有意に不良であることが判明した。シアリルLe^a、シアリルLe^xなどのリガンド糖鎖と血中E-セレクチンレベルとを並行測定すると、両因子とも陽性の患者では、両因子がいずれも陰性の患者群に比べて、高頻度に転移を有していた。 我々は最近、L-セレクチンに結合するリンパ節高血管内皮細静脈の糖鎖リガンドが、シアリル6-スルホLe^xであると同定した。この糖鎖の大腸癌組織での発現を検索したところ、大腸癌の一部および癌周囲の非癌上皮細胞に発現されていた。大腸癌症例の検討により、シアリル6-スルホLe^xの発現は、癌細胞巣よりも周囲非癌上皮細胞に有意に強かった(p<0.001)。これに対し、通常のシアリルLe^xは、従来の報告通り癌組織に有意に強く発現していた(p=0.007)。これらの結果は、癌細胞では、癌化に際して何らかの原因で6-硫酸化が低下することによって、硫酸基を持たない通常型のシアリルLe^xの発現が亢進する機序があることを示唆する。また我々は、癌におけるセレクチンの糖鎖リガンド発現亢進の機序を、糖ヌクレオチドトランスポーターおよび糖転移酵素の変化に焦点を当てつつ大腸癌症例について検索した。糖ヌクレオチドトランスポーターのmRNAについては、CMP-シアル酸トランスポーター,UDP-Galトランスポーター,UDP-GlcNAcトランスポーターについて検索し、このうちUDP-GalトランスポーターのmRNA含量が,進行大腸癌14症例において癌組織で非癌粘膜組織よりも有意に増加を認めた(癌4.53±2.24,非癌部2.20±1.79,p<0.005)。UDP-GalトランスポーターcDNAを細胞に遺伝子導入したところ、Mock細胞に比べてシアリルLe^a、シアリルLe^x、Thomsen-Friedenreich抗原の著増を認めた。
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