北欧極北民族における脂質関連がんの発生と環境・宿主要因の解明
Project/Area Number |
12218203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
妹尾 春樹 秋田大学, 医学部, 教授 (90171355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 岳哉 秋田大学, 医学部, 助手 (10312696)
今井 克幸 秋田大学, 医学部, 助手 (80006741)
佐藤 充 秋田大学, 医学部, 助教授 (60226008)
江口 英孝 埼玉県立がんセンター, 研究所, 研究員 (00260232)
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
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Keywords | 脂質関連がん / 北欧 / 北極圏 / 少数民族 / サーメ / ラップ / 環境要因 / 宿主要因 |
Research Abstract |
北欧の北極圏の少数民族(サーメあるいはラップともよばれる)における脂質関連がんの発生を調査し、食習慣および遺伝子を中心とした宿主要因を解析して、脂質関連がんの原因を疫学的に明かにし、その要因の解明と予防対策を樹立しようとするものである。 脂質関連癌(大腸癌、乳癌、前立線癌など)のincidenceにつき以前おこなわれた調査結果を収集し、さらにそれらの人々を新たに調査する計画を樹立した。今年度の調査でラップ人では食道と胃のがんが多く、大腸、乳腺、前立腺のがんが少ないことが明かになった。山のラップ人を対象として2001年6月にKautokeino市を拠点として研究をおこなう準備をした。 日本においては近年脂質関連がん、すなわち大腸、乳腺、前立腺のがんが増加している。これには環境と宿主の両者の要因が複雑に関与していることが推測される。ところで北欧の北極圏には少数民族すなわちサーメ(ラップ人)が住んでいて、厳しい環境の中で独特の生活様式をもって生活している。この民族の起源はいまだ明かではないが、コーカサス人種とは異なり、身長は高くなく、その外見は日本人に似ている。そこでこれら少数民族における各種悪性腫瘍特に脂質関連がんの発生を調査し、同時に食習慣および遺伝子を中心とした宿主要因を解析して、脂質関連がんの原因を疫学的に明かにし、その予防法を樹立しようとするものである。 ラップ人の脂質関連がんの発生につき以前おこなわれた調査結果を収集した(Janusプロジェクト、1973年から3回、Haugstreit博士、Per Lund-Larsen博士らが中心として推進、ノルウエー王立病院のJanus Bankに血清保存)。これらがんの発生は低いことが明かになった。また、胃と食道のがんの発生は高いことも判明した。さらにそれらの人々を新たに調査する事に関して計画を樹立した。北欧ではすでに国民は総背番号制になっており、住所の移動があっても追跡可能であることが分かった。あらたに血液を採取し種々のbiofacors(DNA adducts,nutrition factors,genetic factors等)も解析可能であることが判明した。栄養調査も計画した。現地の病院との打ち合わせや調査用のバスの手配などトレットリ教授も加え準備した。ラップ民族には、山のラップ、海のラップ、ロシアおよびフィンランド国境のラップ、ロフォーテンのラップがいて、このうち山のラップが民族的にもっとも純粋であることも判明した。 現在、Troms大学倫理委員会にプロジェクトの許可を申請し、Inger Thune博士(Troms国立病院)にバスの手配を依頼し、2001年6月に現地での研究を目指している(山のラップ、Kautokeino市を中心に)。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)